○日時
平成24年3月23日(金) 10:00〜12:30
○場所
東海大学交友会館 「望星」
○出席者
出席構成員:
堀田構成員、五十嵐構成員、岩田構成員、岡部構成員、小川構成員、奥田構成員、 |
落合構成員、後藤構成員、友池構成員、中川構成員、樋口構成員、藤原構成員、 |
村島構成員、山本構成員、横谷構成員、吉村構成員 |
出席参考人:
花岡参考人、山本参考人、勝野参考人、宮崎参考人、柴田参考人、石川参考人 |
○議事
○医薬食品局審査管理課
それでは、定刻になりましたので、ただいまより「第11回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
会議に先立ちまして、本検討会議の構成員の交代がございましたので、新たに御参加いただくことになった4名の構成員の先生方を御紹介申し上げます。
まず、国立医薬品食品衛生研究所薬品部長、奥田構成員です。
○奥田構成員
国立医薬品食品衛生研究所の奥田と申します。よろしくお願いいたします。
○医薬食品局審査管理課
独立行政法人国立生育医療研究センター母性医療診療部長、村島構成員です。
○村島構成員
村島と申します。妊娠と薬情報センターの責任者もしているという立場もありましてかと思いますが、このような機会をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬食品局審査管理課
それから、千葉大学医学部附属病院教授・薬剤部長の北田構成員、久留米大学医学部小児科教授、松石構成員のお2人については、本日、御欠席との連絡をいただいております。
そのほか、伊藤構成員、西川構成員から御欠席の連絡をいただいております。
それから、友池構成員はお見えになるということですが、若干遅れているようでございます。
現在のところ、15名の先生方に御出席をいただいております。
また、WGの検討状況を御報告するに当たりまして、各WGのメンバーから参考人として御出席をいただいておりますので、御紹介をいたします。
代謝・その他WGの花岡先生。
循環器WGの山本先生。
精神・神経WGの勝野先生。
抗菌・抗炎症WGの宮崎先生。
抗がんWGの柴田先生。
生物WG及び小児WGの石川先生。
それでは、堀田先生、以降の議事進行についてお願いいたします。
○堀田座長
おはようございます。ただいまから始めます。昨年12月以来の会議でございまして、第2回の要望がたくさん集まりました。その評価をWGが精力的にやっていただきましたので、今日はその検討が中心になります。その前に、第1回で残った部分もございますので、今日は限られた時間ではございますが、皆様の御協力を得て進めてまいりたいと思います。
今日は新しいメンバーの方も御参加でございます。また、この中の何人かは所属が変わって、私も4月から所属がナショナルセンターに変わりますが、伺いますと、お隣の五十嵐先生と樋口先生もそうでありまして、ナショナルセンターの3人がここに集まっているという、非常に珍しい会議ではないかと思っております。
まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
○医薬食品局審査管理課
それでは、本日の配付資料について確認をさせていただきます。
まず、座席表、それから、議事次第をおめくりいただきますと、配付資料一覧がございますので、こちらをごらんいただきながら御確認をお願いいたします。
まず、資料1「検討会議における検討の進め方」について、一枚紙でございます。
第1回要望分の資料ということで、資料2〜6までございますけれども、まず資料2が、「第1回要望に係るWGの検討状況の概要等について」の資料でございます。
資料3−1は、公知申請への該当性に関して、リネゾリドに関する報告書(案)がございます。
資料4は「第1回要望で医療上の必要性が高いとされた品目に係るWGの検討状況」、横の資料でございます。
それから、資料5−1は、一枚でございますけれども、「企業から提出された開発工程表について」。
そして資料5−2が「企業から提出された開発工程表の概要等」の資料でございます。
資料5−3が「ハイドロモルフォン塩酸塩の開発について」の資料でございます。
資料6「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」。
ここまでが第1回要望関連の資料でございます。
引き続きまして、第2回要望関連資料でございますが、資料7「第2回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」。
それから、横の少し厚い資料が8−1〜7までございますけれども、各WGにおける評価の報告書を配付しております。
それから、先生方のお手元に非常に分厚い7冊の分冊の冊子をお配りしております。傍聴者の方にはお渡しをしていないものですが、この7冊の冊子については、第2回の各学会、それから、患者などの団体からいただいた要望書のコピーの冊子でございます。要望書に加えまして、患者とか、個人のものについては、該当する学会からの見解、それから、各要望に対する企業の見解ということで、品目ごとにまとめてタグをつけておりますけれども、この資料を御用意させていただきました。非常に大部にわたりますので、毎回同じものを使わせていただくということで、別途、先生方には電子ファイルもお配りをしているかと思います。
なお、同じ内容をホームページにも掲載いたしますので、傍聴の方々はそちらを今後ごらんいただくということにしたいと思います。
参考資料につきましては、8のシリーズの後に一まとめにお配りをしております。
資料の不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
○堀田座長
よろしいですか。それでは、資料の落丁等がありましたらお知らせいただきますように。
特になければ、本日の具体的な議事に入るわけですが、その前に新しい構成員の方々にも御参画いただいておりますので、まずは、この検討会議の概要について、改めて簡単に事務局から御説明をお願いします。
○医薬食品局審査管理課
それでは、資料1、それから、参考資料を御用意ください。
まず、参考資料1が本会議の開催要項となっておりまして、目的でございますけれども、本検討会議につきましては、欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない医薬品や適応について、製薬企業による未承認薬・適応外薬の開発促進に資することを目的とした会議でございます。
資料1を併せてごらんください。上の四角にございますけれども、こういった欧米で使用が認められていないようなものについて、学会や患者等から広く要望を募集しております。具体的な検討事項でございますけれども、大きな四角の右側でございますけれども、医療上の必要性をこの検討会議でまず御評価いただくということで、適応疾病の重篤性、それから、医療上の有用性という2つの観点から、この医療上の必要性という点について御検討いただくことになります。
裏もごらんいただければと思いますけれども、「検討会議における検討の進め方」になります。今、申し上げたように、この会議の中で医療上の必要性を御検討いただいて、必要性が高いと御判断いただいたものについては、関係する企業に開発要請などを行います。その上で、中ほどになりますけれども、各品目につきまして、公知申請への該当性、それから、実施が必要な試験の妥当性などについて、同じくこの会議で御検討いただきます。そして、下の方になりますけれども、そのほか、製薬企業が開発を行う医療上の必要性が高い未承認薬・適応外薬について、定期的に開発、進捗状況の御確認もお願いをしております。
それから、参考資料3−1をごらんください。参考資料はホチキスどめになっておりますので、おめくりいただいた2枚目でございます。「専門作業班(WG)の設置について」という図でございますけれども、医療上の必要性の検討に関しては、本検討会議の下に各疾患群ごとにWGを組織いたしまして、このWGで作業を進め、その結果をとりまとめた上で、この検討会議で最終的に御討議をいただくというふうにしております。
1枚おめくりいただくと、参考資料2ということで、このWGに御参画をいただいている先生方の名簿をつけております。
本日の検討会議でございますけれども、まず、第1回要望募集品目の公知申請の該当性と進捗の状況について御検討いただくとともに、その後、第2回要望募集品目の医療上の必要性の評価について御検討いただきたいと考えております。
○堀田座長
ありがとうございました。
何か、この点で御質問があれば、今、お受けしますが、いかがでしょうか。
この検討会議は、WGが評価をしていただいたものについて、それを御了承願うかどうかということなのですが、個々の品目にここでこだわりますと時間がありませんので、もし疑問があれば、またWGに持ち帰るという形もございますので、その辺はよろしくお願いしたいと思います。
なお、先生方は、それぞれの領域、あるいは団体の代表、エキスパートとして参加されているわけですが、その領域の利益代表ではないので、全体の立場に立って、この検討会議に参加していただければと思っておりますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。
それでは、本日の具体的な議事に入ります。まず、第1回の要望品目について議論したいと思います。第1回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況につきまして、昨年の12月22日に開催しておりますけれども、その後の進捗について、事務局から説明をお願いします。
○医薬食品局審査管理課
それでは、資料2、それから、資料4を御用意ください。
まず、資料2からごらんをいただければと思います。最初のページでございますけれども、「医療上の必要性の評価について」ということで、医療上の必要性の高いとされた第1回要望品目は全部で186件となっておりまして、段階的に開発要請等を行ってきたところでございます。この表につきましては、特段、前回と変更ございません。
それから、裏をごらんください。開発要請したものの検討状況でございますけれども、前回から比較していただきますと、公知申請が妥当であるものが1件増えまして、その分、検討中のものが1件減っているという状況でございます。この1件につきましては、公知申請が妥当ということで報告書をとりまとめていただいておりますので、追って御説明をいただきます。
資料4でございますが、検討状況でございますが、この1件のみの変更となっておりますので、説明は割愛させていただきます。
以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、早速、各WGからの公知申請の該当性に係る報告をしていただきますが、小児のWGから石川先生にお願いいたします。
○石川参考人
それでは、説明をさせていただきます。お手元に資料3−1を御用意いただければと存じます。
今回、小児感染症学会及び日本感染症学会より、リネゾリドの承認用法・用量追加の要望が提出されておりました。3〜7ページで欧米4か国の承認状況、続く8〜15ページで要望内容について、企業側で実施した海外臨床試験成績、続く16〜30ページで要望内容に係る国内外の公表文献・成書についての概略をとりまとめております。これらのエビデンスを基に、34、35ページに公知申請の妥当性について記載しておりますので、ごらんください。
米国において、小児に対する臨床試験が実施されていて、有効性・安全性を検討した上で承認されております。
それから、教科書、国内外の各種ガイドラインで標準治療薬としてこの薬は推奨されております。
それから、国内において、有効性・安全性、用法・用量の調査を目的とした使用実態調査が実施されていて、国内の臨床現場においても使用実績が蓄積されているものと判断いたしました。
以上から、本剤は小児に対しても、MRSA、VREの治療薬として確立されたものであり、有効性及び安全性は医学・薬学上公知であるとWGで判断をいたしました。
効能・効果につきましては、35ページに記載しておりますとおり、成人と同様の適応菌種、それから、適応症としております。
用法・用量につきましては、続く35〜37ページに記載しておりますとおり、成人において本剤の薬物動態が国内外で類似していることが既に確認され、小児においても同様に民族差の影響を受けにくいと考えられることから、外国人小児での本剤の有効性に関するエビデンスを日本人小児に外挿することは可能と考えました。また、使用実態調査において、本邦の小児に対しても米国の承認用法・用量が種に用いられていることが確認されました。これらの結果を踏まえ、米国の承認用法・用量に従って、12歳以上の小児には成人と同一の1回600?を12時間ごと、それから、12歳未満の小児には1回12?/?を8時間ごとといたしました。
なお、12歳未満の小児に対しては、1回600?までと、1回投与量の条件を設定しての臨床試験が実施されておりまして、1回600?を超えて投与された経験はほとんどなく、現状、投与は推奨されないことから、その旨を添付文書において情報提供することが必要であると考えております。
それから、生後3か月未満の小児を対象に実施した臨床試験で、早産の新生児で、生後7日目までのクリアランスが低い値を示す、それから、生後7日目以降にはクリアランスは迅速に増加することが確認されたことから、このような患者においては、本剤の投与に際し注意する必要がある旨を、やはり添付文書において注意喚起することが適切と考えております。この点について、どのような情報提供をするかについては、申請の後、審査の中で検討していただければと考えております。
そのほか、有効性及び安全性に特段の問題はないと考えており、既に国内外で広く使用されている実態を踏まえますと、今回新たに製造販売後調査等を実施する必要はないと判断しております。
それから、WGでは、本邦において、経口投与できる製剤は600?の錠剤のみと限られているのですが、これが非常に大きい錠剤でありまして、12歳未満の小児では経口投与が困難であると考えられるため、海外で今、市販されている経口懸濁剤の導入が望まれるという声が出されたということも併せて報告させていただきます。
以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
ただいまの小児WGからの報告に何か御意見ございますでしょうか。岩田先生。
○岩田構成員
非常に詳細に検討していただきまして、ありがとうございました。このお薬は、バンコマイシン等の抗MRSA薬が効きにくいような症例に対して有効だということで、小児の使用実態調査でも実際たくさん使われていたわけですけれども、そういう意味で、公知申請の形で認めていただければ非常にありがたいと思います。
1点、最後にコメントがございました小児用というか、経口の懸濁剤ですね。この辺に関しましては、多分、製剤上の問題とか、そういったことで、いろいろハードルがあるのかもしれないのですけれども、小児でも、この薬剤の経口投与というのは非常に重要な位置を占めてくると思いますので、可能であれば、審査の段階で是非、導入を御検討いただければと思っています。
以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
そのほかに御意見がございますでしょうか。
最後にコメントされた剤形の部分は、小児に適用拡大する場合に必ずついて回る問題ですね。ですから、1品目ごとにというよりは、全体としてどう考えるかということが検討されるべきではないかと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、続きまして、議題2の「企業から提出された開発工程表等について」、事務局から御説明をお願いします。
躁うつ病精神大中
○医政局研究開発振興課
それでは、研究開発振興課から「企業から提出された開発工程表について」を御説明いたします。
まず、資料5−1でございます。開発工程表188件につきまして、企業より2月29日現在の更新版が提出されておりまして、未提出企業はございません。資料5−1につきましては、以下、開発要請日の違いに応じた形の評価基準を記載させていただいているところでございます。
具体的な内容、進捗状況につきましては、資料5−2で御説明いたします。
まず、5−2の資料中に1点訂正がございますので、御説明いたします。19ページの要望番号62の日本化薬のエトポシドと要望番号143の日本化薬のシスプラチンでございます。この資料では承認申請済みのカテゴリーになってございますが、既に承認済みでございますので、承認済みのカテゴリーとして集計をさせていただきます。
したがいまして、資料5−2の1ページの数字をごらんいただきたいのですけれども、承認済みの一番上のカラムの第2回開発要請分19件が正しくは21件、そして計67件が正しくは69件となります。また、2番目のカラムの承認申請済みの第2回開発要請分16とある数字が正しくは14、そして計35とありますけれども、正しくは33ということで訂正させていただきます。
同じ資料の1ページ目でございますけれども、計の欄をごらんいただきますと、承認済みの件数は、前回の会議では57件でございましたので、それが訂正後の数字で69件に増えている。それから、承認申請済みが前回29件であったのが、今回、訂正後の数字で33件。それから、治験計画提出届提出済みが前回の59件から62件ということで、こうした形で着実に進んでいるということでございます。
具体的な内容につきましてですけれども、まず、5ページから始まっておりますa−0のカテゴリー、すなわち承認済みのもの、それから、16ページから始まっておりますa−1の承認申請済みのものにつきましては、いずれも適切に開発を行っているものと評価したいと考えております。
それから、21ページから始まっております治験計画届提出済みのものにつきましても、基本的には適切に開発を行っているものと評価したいと考えておりますが、若干補足させていただきますと、22ページの特記事項のところでございます。171番のノーベルファーマのタルクでございますけれども、治験終了後に追加の品質試験を行っているということですので、その旨を今回追記させていただいております。
それから、その下の193番、協和発酵キリンのトピラマートに関しましては、当初の計画と比較しましたところ、2か月ほど遅れておりましたけれども、事情を確認しましたところ、他社において同様の疾患を対象とした試験が同時並行で実施されているために、症例の組み入れが遅延しているということでございましたので、こうした事情を踏まえまして、こちらに関しても適切に開発を行っているものと評価したいと考えております。
それから、29ページのbのカテゴリー、30ページのcのカテゴリー、31ページのdのカテゴリーにつきましては、該当するものはございません。
それから、32ページのe.開発要請半年後以降に公知申請を予定するものについては、個別に評価することとしているところでございます。
まずは33ページの要望番号340、リネゾリドにつきましては、先ほど議題1で公知申請が可能とされたものでございます。これにつきましては、開発要請から半年以上経過しておりますが、使用実態調査を実施したことやWGの検討時間も考慮いたしまして、開発を適切に行ったものと評価したいと考えております。
ほかの6件につきましては、使用実態調査の実施中、あるいはWGで検討中ということですので、評価を保留したいと考えております。
それから、34ページのfについては、このカテゴリーに該当するものはございません。
続いて、35ページのg.その他でございます。こちらについては、個別品目ごとに評価しているところでございまして、前回から変更があった部分のみ御説明いたします。
36ページの要望番号283のシンバイオ製薬のベンダムスチンに関しましては、PMDAとの事前面談の結果、追加の治験を求められたということでして、2012年12月の治験届の提出予定でございますので、評価保留とさせていただきたいと思います。
それから、同じく217番のムンディファーマのハイドロモルフォンにつきましては、後ほど資料5−3で説明させていただきます。
37ページの要望番号332、ヤンセンファーマのリスペリドンに関しましては、学会と適応症について合意が得られたということでございまして、開発する適応症について、今後、2012年3月に治験相談を実施予定ということでございましたので、評価保留とさせていただきたいと思います。
同じく37ページの要望番号243、サノフィ・アベンティスのビガバトリンに関しましては、こちらはちょっと記載が正確ではないのですが、PMDAとの治験相談終了後にプロトコルの確定のために、更なる検討のために面談を2度ほどしたということで、治験届の提出が2か月ほど遅れるということでございます。いずれにしましても評価保留とさせていただきたいと思います。
それから、要望番号80の塩野義製薬のオキシコドン塩酸塩に関しましては、非がん疼痛に関するほかの薬剤が承認されてきたことで、治験環境が変化しているということもあって、計画の大幅な見直しを実施するということで、若干計画が遅れております。いずれにしましても評価保留とさせていただきたいと考えております。
それから、38ページの要望番号151、バイエル薬品のシプロフロキサシンに関しましては、前回の本検討会にて臨床試験等の実施が必要とされたものでございますので、今般、使用実態調査の結果を踏まえて承認申請予定というような計画でございます。いずれにしましても評価保留とさせていただきたいと考えております。
続きまして、資料5−3でございます。ハイドロモルフォン塩酸塩の開発につきましては、海外で承認を有しているムンディファーマ株式会社に開発要請をいたしまして、いろいろ検討してきたところでございますけれども、今般、ムンディファーマ社と、実際に開発を行う第一三共株式会社から開発状況について御説明がありました。
具体的に下の枠に書いてございますけれども、本剤はモルヒネから誘導された半合成オピオイドでございまして、麻薬及び向精神薬取締法等の規制を受けるわけでございます。実際に国内の医療現場に提供するためには、国から麻薬製造業者としてアヘンを譲り受け、本薬を合成するか、または麻薬製剤業者として、原料を他の麻薬製造業者より譲り受け、製剤化を行うというような手続、免許等が必要になるという状況でございます。しかしながら、ムンディファーマ社につきましては、本薬の合成技術そのものを国内で有しておらず、また、麻薬製造業者、麻薬製剤業者のいずれの免許も取得していないということで、国内の麻薬製造業者の協力を得て開発することを前提に開発工程表が提出されていたものでございます。
具体的には、国内の麻薬製造業者5社に対して打診をしましたところ、第一三共からのみ協議に応じるという回答が得られ、これまで検討してきたわけですけれども、国内で医療現場に早期に提供するためには、ムンディファーマ社が麻薬製剤業者等の免許を改めて取得するとか、そういうことではなくて、既に免許を取得している第一三共株式会社が、ムンディファーマ社が有する承認申請に利用できるデータを活用しながら開発を進めるという形の方がよいのではないかということで、両者で合意が得られたということでございました。
したがいまして、裏面をご覧いただきたいのですが、事務局といたしましては、ムンディファーマ社がそういった免許の取得等に関して時間を要することを考えますと、本薬について、第一三共が引き継いで確実に開発するという意思表示、合意が得られておりますので、第一三共が開発することを認めてはいかがかということでございます。
なお、実際の開発要請先の考え方に照らしますと、参考資料4−2にございますように、第一三共自体は海外で承認を取得しているわけではないので、一応、整理上は、本品目について開発公募を行い、それに対して、第一三共が応募して手を挙げたという形で整理してはどうかと考えているところでございます。
続きまして、資料6でございます。開発募集を行った品目の2月29日時点での状況でございます。前回から変更がございましたのは、1番目のフェニル酪酸ナトリウムにつきまして、前回は開発状況が治験実施中でございましたが、今回は承認申請済と変わっております。それから、3番目のデクスラゾキサンが、前回、治験準備中でございましたが、治験実施中という形でステージが進んでいるということでございます。
以上、よろしく御審議のほど、お願いいたします。
○堀田座長
ただいまの事務局の説明に何か御質問ございますでしょうか。開発工程表の評価基準を以前に改定しましたけれども、それに基づいて仕分けをしていただいたことでございます。何か特段の御意見があれば、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。
最後に説明されたハイドロモルフォンの件につきましては、通常の開発の要請先とは違うので、新たに公募という形で手を挙げていただくという整理をしたいということでした。いずれにしても、こういうものが早く開発に入ることが重要ですので、ムンディファーマにこれから資格を取得してやってくださいというと何年先になるかわからないので、こういった対応もあると思いますが、よろしいでしょうか。特段の御意見がなければ、これは了承させていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、第1回目の要望品目に対する議論はここまででありますが、続いて第2回の要望品目に係る議論に移りたいと思います。まず「第2回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」、事務局から説明をお願いします。
○医薬食品局審査管理課
第2回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等につきまして、資料7に基づき御説明したいと思います。
まず、これまで行ってきた作業の流れを別添1にお示ししております。右下に3ページと振っている資料をごらんください。細かい説明は割愛させていただきますが、正式要望募集を昨年の8〜9月にかけて行い、その後、事務局で要望の整理、修正依頼等をお願いさせていただき、該当企業の確認等の作業を踏まえて、学会や企業見解の作成等をお願いしてきたところです。
グループで取扱いを整理しているものは幾つかございますので、最初のページになりますが、2〜4にかけて、これから御説明をさせていただきたいと思います。まず、検討の対象外とさせていただくものになります。次の?〜?に該当するものを検討の対象外として整理させていただきました。
1つ目は、未承認薬については、欧米等6か国での承認、適応外薬については、欧米等6か国での承認または標準的使用に係る情報が要望書等から確認できなかったものがございましたので、それについては検討の対象外とさせていただきたいと思っております。
それから、新たな医薬品の承認ですとか、効能・効果、用法・用量の変更が必要でないもの。例えば、禁忌外しですとか、使用上の注意のみの修正が必要になるようなものですけれども、それについては検討の対象外とさせていただきたいと思います。要望募集の受付の段階からそのようにさせていただいております。
3番目は、第1回要望等で既に開発要請をしているものについては、個別に必要性の評価等はしていただかなくてもよいと考えております。
次に、3になりますけれども、これは一括で必要性が高いと整理をさせていただこうと思っているものになります。具体的には、開発要請先として適当な企業から「現在開発中」、これはメルクマールとしては、治験等に着手されているもの、既に治験届が出されているものと考えておりますけれども、それについては、学会等より必要性が高いという要望、見解が出されていることを踏まえて、個別、具体的な医療上の必要性の評価を行うことなく開発要請を行って、開発の進捗状況をフォローしていくことが適当と事務局としては考えております。
それについては、別添3、13ページ以降にお示ししております。最初、36.1〜36.3まで、イリノテカンが並んでおりますけれども、異なる要望者から出された要望について、枝番号を振っているというものになりますので、これは1件としてカウントします。都合14件該当するものがございましたので、これについては分類上は必要性が高いとさせていただくことでどうかと考えております。
また最初のページにお戻りいただきまして、次に4になりますが、社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供事例に記載されていて、保険償還が既に認められているものについては、開発の優先順位は相対的には低いだろうと考えておりますので、必要性の評価を原則として後回しにするということでどうかと考えております。それが17ページにございます。5件、該当するものがございました。実は、3月16日にも新しくリストが公表されておりまして、これについては精査が間に合っておりませんので、現在検討中とさせていただいているもので、新たにこの分類に追加になる可能性もありますので、あらかじめお知らせをさせていただきます。
2ページ目に行っていただきまして、個別のWGの評価の状況を表にお示ししております。検討済みというところですけれども、先ほどの開発中のものも含めて必要性が高いというのが、未承認薬20件、適応外薬60件の計80件。必要性が高いとまでは言えないというのが、未承認薬9件、適応外薬51件の計60件。検討対象外とさせていただいたものは計85件、先ほどの支払基金リストに載っているものが5件、まだWGで医療上の必要性を検討中というものが60件という状況になっております。
これからWGの評価を御説明いただくことになりますが、時間も限られておりますし、資料も多いので、要点を少しお話しさせていただきます。
まず、適応外薬については、海外承認があるものだけではなくて、標準的使用がなされているものについて、具体的には海外のガイドラインに用法・用量が記載されていて、その根拠となる文献があるものについて、要望の対象としてきたところでございます。しかしながら、海外承認がないものについては、エビデンスレベルが高いとは言えないものもかなり含まれておりましたので、1つの参考にはなると思います。海外承認があるかどうかというのも評価の参考にしていただければと考えております。
それから、個々のWGから、必要性が高いとまでは言えないというものを中心に御説明されるかと思います。資料の医療上の有用性のところが基準に該当しないというケースがほとんどですので、資料をごらんいただくときにはそちらに目を向けていただければ、どのような状況かがおわかりいただけるのではないかと思っております。本日、医療上の必要性が高いという評価をいただきましたら、第1回要望時と同じように、開発企業があるものについては企業への開発要請、国内企業がないものについては開発企業の募集という作業に進んでいきたいと考えております。
説明は以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
ただいまの説明に何か御意見、御質問ございますでしょうか。
第1回に比べると、初めから取り決めをきちっとして進むということでありますので、そういう意味では非常に効率的に検討していただいていると思います。まず、要望受付のときに、既にこういう条件でというのを示しておりますので、それに基づいてやっているので、そこから外れるものは基本的に対象外にならざるを得ないと、こういうことだと思いますが、よろしいでしょうか。どうぞ。
○樋口構成員
こういう質問をここでするのが適当かどうかわからないのですが、資料7で言えば、一番下の4番目、審査情報提供事例に記載があるものということでございます。これは支払基金の保険償還が認められているということですし、通達というのでしょうか、通知があるということが基になっていると思うのですけれども、例えば、病院の先生方などでときどき話題になるのは、何かアクシデントが起こったという場合に、訴訟か何かが起こることがあり得ます。そういう場合に、こういう薬を用いていたということが非常に問題視される、不利になるのではないかということで、使わない、使えないというような声をときどき聞くのですが、そういう点はこの中では余り斟酌しない。
○堀田座長
これについて、事務局からお願いします。
○医薬食品局審査管理課
事務局でございます。
私、副作用被害対策室の方も併任していますので、お答えしますと、基本的には、まず、医薬品の適正使用という観点から申しますと、患者に対して、適応外使用であることをちゃんとお伝えしていただいた上で、科学的根拠を説明して、そういう部分が妥当性があれば、そもそも医薬品副作用救済制度の対象には十分になり得ますし、これまでもそういった支払いの事例はございます。ただし、もともと救済制度から除外されているお薬もございますので、そこの部分は医療側で十分に配慮していただくものであると思います。
○堀田座長
ただいまの説明でよろしいですか。
どうぞ。
○横谷構成員
横谷ですけれども、同じことで、扱いについて少し危惧したところなのですが、ここの書き方で、後回しにするというのは、時間的に後回しにするということであって、積み残したままにするということではないということですね。
○医薬食品局審査管理課
基本的には、我々としましては、薬事承認はいずれは必要になるだろうとは考えています。ただし、あくまでも相対的に、まだ保険償還がされていないものを優先して取り組んでまいりたいということでございます。
○横谷構成員
そうしますと、保険承認を認めていないけれども、認められたものと同じような扱いをするのだという解釈があるからこそ、そのようなお答えになるので、樋口先生のお答えについても、保険承認とイコールだという解釈をしているということが根拠になっているように聞こえるので、後回しというのは、この次の第3回、4回と行く前には解決していくのだという中での順位を後回しと、時間的に遅らせていくのだということでのお答えであれば納得だと思うのですが、次の第3回、4回に行ったときにまだこれが残っていて、いや、このままでいいんですよということではないのだということであってほしいと思っているのです。
○医薬食品局審査管理課
御意見どうもありがとうございます。第3回要望については、まだ検討の段階でございますし、そういった御意見も踏まえて、我々、検討したいと思います。
○堀田座長
そのほか、いかがでしょうか。
保険承認の件に関しては、本検討会とは違うルールで支払基金の方で動いている話なので、それをどうこうはなかなか言えないのです。実際問題、先に保険承認でカバーをされてしまうということになると、薬事承認をいつ取るのかという話だと思うのです。恐らくメーカー側も、カバーだけではなくて、薬事承認が得られるものなら得たいというのが本音だろうと思うのですが、今回は、医療上の必要性の高いもの、緊急度の高いものを優先していくという趣旨から言うと、少し優先順位をずらさざるを得ないというのが現状かなと思います。
ほかに御意見ありますでしょうか。
ここで出ている要望というのはそれぞれ切実な要望なものですから、どれも必要がないとか、そういう話ではなくて、その中でも特に高いものは何かという観点で検討していただいて、できるだけそういったものを早く患者さんに届けることが使命だと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、各WGから、第2回要望に係る医療上の必要性の検討状況を説明していただきます。膨大な資料を簡潔にというのは非常に酷な話でありますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、まず最初に、代謝・その他WGから、花岡先生、お願いします。
青少年の肥満の教育プログラム
○花岡参考人
それでは、代謝・その他WGから報告させていただきます。
お手元の資料8−1をごらんください。医療上の必要性が高いと判断したものは次のとおりでございます。抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリンについて、1〜9ページをごらんください。要望内容は、心臓、肺、肝臓、小腸、膵臓の各臓器における移植後の治療抵抗性拒絶反応の治療に対する効能追加です。膵臓は成人のみ、それ以外の臓器は成人及び小児の要望となっております。
もう1品目、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルについては10〜11ページをごらんください。要望内容は、出血性胃静脈瘤の治療に対する効能追加です。出血性胃静脈瘤の治療については、止血作用の主体は本剤と混合して用いるシアノアクリレート剤(ヒストアクリル)によるものでございます。したがって、本剤の効能・効果、用法・用量等については、ニーズ検討会で既に選定され、今後開発されるヒストアクリルの適応等を踏まえて検討する必要があると考えているところでございます。
次に移らせていただきまして、必要性が高いとまでは言えないと判断したものについては、以下のものでございます。
ベラタセプトについては、12ページをごらんいただきたいと思います。本剤は、国内未承認薬でございまして、要望された効能・効果は、腎移植を受けた成人患者における拒絶反応の抑制です。海外で実施された治験において、シクロスポリンとの比較が行われた結果、本剤群でGFRの維持や心血管系リスクの改善が見られる一方で、急性拒絶反応の発現率及びその重症度、移植後のリンパ腫や進行性の多巣性白質脳症の発現率が上昇したことから、いろいろ議論のあるところでございまして、現時点での有効性・安全性が明らかに優れているとまでは言えないと考えるところでございます。
次に、バシリキシマブについて、14ページをごらんください。要望内容は、肝移植後の拒絶反応の予防並びに治療に対する効能追加です。詳細は報告書に記載していますが、これはカナダのブリティッシュコロンビア州のみでございますが、提出された海外のガイドラインの記載に加えて、移植時に腎機能障害を伴う成人の肝移植患者における導入療法の適用についての基準への該当性を検討いたしました。現在、欧米等で承認がなく、海外の臨床試験においては有効性を示すに至っていないこと等を踏まえると、国内で承認されている抗体製剤はないものの、既存の免疫抑制剤に加えて本剤を用いることの十分な有用性は説明されていないと考えております。
次に、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリンについて、16ページをごらんいただきたいと思います。要望内容は、腎移植における高度なHLA抗体陽性レシピエントの移植前脱感作に対する効能追加です。欧米等で承認がなく、プラセボを対象とした海外臨床試験が1試験報告されておりますが、抗体価の低下作用が期待される一方で、急性拒絶反応の増加が懸念されていることなどがガイドライン上でも指摘されており、これを踏まえますと、本剤の有効性及び安全性は海外においても明らかになっていないと考えられ、標準的療法において位置づけられているとは判断できないと考えるということでございます。
以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、全体的な議論は後でまとめて受けさせていただくことにいたしまして、今の報告の中の個別の品目で何か特段の御意見があれば、今、ここでお受けしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、また後の全般的なところで戻っていただいても結構でございます。花岡先生、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、循環器WGから、山本先生、よろしくお願いします。
○山本参考人
循環器WGの結果の御報告でございます。資料8−2をごらんください。
まず、循環器器官用薬分野の要望のうち、医療上の必要性が高いと判断したものを報告いたします。
1〜4ページまでがメチロシンでございます。要望された効能・効果は、褐色細胞腫の患者の以下の治療。1が外科処置前の処置、2が外科処置が行えないときの患者管理、3が悪性褐色細胞腫の慢性的治療でございます。それぞれの疾患上特性、それから、医療上の有用性の分類につきましては、報告書をごらんください。
それから、その次の品目、5ページをごらんください。アミオダロン塩酸塩でございます。要望された効能・効果は、電気的除細動抵抗性の心室性不整脈による心停止時の心肺蘇生でございます。
次の品目ですが、6〜10ページにございます。一酸化窒素でございます。要望された効能・効果は、心臓手術の周術期及び術後に発症した肺高血圧の治療において、肺動脈圧を選択的に低下させ、右室機能の負担を軽減し、かつ肺の酸素化を改善する。
なお、6〜8ページの要望番号の?−30.1〜3が小児、それから、9ページ、10ページの要望番号?−31.1〜2は成人に対する要望となっております。
その次の品目でございます。11ページのチオペンタールナトリウム。要望された効能・効果は、頭蓋内圧亢進症でございます。
それから、12ページ、ボセンタン水和物。要望された効能・効果は、強皮症に伴う皮膚潰瘍の予防でございます。
一方、循環器用薬の中で、必要性が高いとまでは言えないと判断したものが1品目ございまして、こちらは13ページでございます。カンデサルタンシレキセチルでございます。要望された効能・効果は、片頭痛発作の抑制ですが、欧米等6か国におきまして片頭痛発作の抑制での効能は取得しておりません。欧州ガイドラインに記載はございますが、小規模の臨床試験成績しか得られておらず、エビデンスレベルが低く、海外でも標準的療法として確立しているとは判断できないことから、今回、医療上の有用性が高いことが期待できるとまでは判断できないと考えております。
その次に、生殖器官用薬分野にまいります。こちらの分野で医療上の必要性が高いと判断しましたものは4品目ございまして、まず、14ページの魚油由来ω3系静注用脂肪製剤でございます。こちらの要望効能・効果は、特に小児ですけれども、腸管不全(静脈栄養)関連肝障害と栄養状態の改善でございます。
その次の品目は、15ページ、ジメチルスルホキシド。こちらの要望されている効能・効果は間質性膀胱炎でございます。
次の品目は、16ページの硫酸マグネシウムです。こちらの要望された効能・効果は、重症妊娠高血圧症候群における子癇の予防及び治療でございます。
次の品目にまいります。17ページのレボノルゲストレル。こちらの要望された効能・効果は過多月経でございます。
生殖器官用薬分野の要望の中で、必要性が高いとまでは言えないと判断したものは、今のところはございません。
次に、体内診断用薬分野でございますが、18ページ、19ページにございますヒスタミン二塩酸塩。こちらの要望された効能・効果は、アレルギー皮膚テスト実施時の陽性コントロールとして使用する検査試薬でございます。
その次の20ページ、21ページはメサコリン塩化物でございまして、こちらの要望された効能・効果は、気管支喘息の診断です。
ヒスタミン二塩酸塩とメサコリン塩化物につきましては、成人及び小児、それぞれについての要望が提出されております。
体内診断用薬分野の要望の中で、必要性が高いとまでは言えないと判断したものは、今回はございませんでした。
循環器WGからの報告内容は以上でございます。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの循環器WGの報告に何か御意見ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次にまいりたいと思います。次は、精神・神経WGですね。勝野先生、よろしくお願いします。
○勝野参考人
それでは、精神・神経WGにおきまして、医療上の必要性に係る基準への該当性を評価した品目について報告いたします。
まず、資料8−3の表紙をごらんください。要望番号に枝番のあるものに関しましては、要望者が異なりますが、要望の内容は同一ですので、まとめて報告させていただきます。
まず最初に、精神・神経WGにおいて、医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目について説明いたします。
本邦における未承認薬でありますラコサミド、レチガビンはともに抗てんかん薬であり、要望内容は成人における部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法となっています。ラコサミドについては1ページ目、それから、レチガビンは2ページ目に記載されております。これら2つの抗てんかん薬は、医療上の必要性に係る基準に該当するものと考えました。
それから、本邦における適応外薬につきましては、まず、9ページに記載されておりますアリピプラゾール、要望番号25の小児における自閉性障害による興奮性、それから、12ページをごらんいただきまして、プレトニゾロン、要望番号?−195のデュシェンヌ型筋ジストロフィー、それから、15ページに記載されておりますレミフェンタニル、要望番号?−283の小児における全身麻酔の維持における鎮痛、以上の3品目は医療上の必要性に係る基準に該当すると考えました。
続きまして、医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目について報告いたします。
まず最初に16ページ、4アミノピリジン、要望番号?−8でございますけれども、こちらは多発性硬化症の要望です。日本神経免疫学会の見解書に記載されておりますとおり、本剤は多発性硬化症自体を抑える薬剤ではないため、本邦で現在開発中のほかの多発性硬化症治療薬に比べて優先順位が高くないと考えられることから、現在、臨床試験実施中の他の多発性硬化症治療薬の開発の方を優先すべきではないかと考えました。
続きまして、17ページ、フルオキセチン、要望番号?−191でございます。こちらは、過去に本邦において、成人の臨床試験、海外データを外挿するためのブリッジング試験が実施されましたが、承認申請を行うための十分なデータが得られず、承認申請には至らなかったという開発経緯があります。そのため、現時点では、本剤が日本人において有用であるかどうか不明な状況であります。そのため、企業側において、現在、開発の再開を検討している「成人期におけるうつ病・うつ状態」の臨床試験成績等が得られた時点で、今回の要望であります小児期のうつ病・うつ状態の本邦における必要性について判断することが適当ではないかと考えました。
次に、18ページのアザチオプリン、要望番号?−12であります。こちらは、?としまして、本剤の多発性硬化症への使用はドイツ以外では承認されていないこと、?としまして、今回の要望は多発性硬化症の再発抑制でありますけれども、本邦の多発性硬化症治療ガイドライン2010には「多発性硬化症の治療目的が、再発を予防することより障害度の増悪を防ぐことが重要であることは明らかである」と記載されていること、それから、?としまして、また同じガイドラインにおきまして、アザチオプリンは、「再発頻度を低下させるものの、多発性硬化症の障害度増悪を抑制する効果はわずかであり、副作用の頻度が高いことを考慮すると、その臨床的有用性は慎重に判断すべき」と記載されていることなどから、国内で有用性が期待できる� �までは判断できないものと考えました。
続きまして、20ページのデュロキセチンであります。デュロキセチンは本邦では既に糖尿病性の神経障害性疼痛に対して承認されております。しかしながら、糖尿病性以外の神経障害性疼痛については、欧米等6か国のいずれでも承認されておらず、また米国のガイドラインでは、糖尿病性以外の神経障害性疼痛の臨床試験成績は存在しないため、糖尿病性以外の神経障害性疼痛の効果は不明であると記載されていることなどから、糖尿病性以外の神経障害性疼痛については、現時点では、国内で有用性が期待できるとまでは判断できないものと考えました。
次に、トピラマートの要望が幾つか重なっているのですけれども、まず、要望番号?−135のトピラマートにつきましては、22ページをごらんください。この要望は、小児における部分発作に対する単剤療法であります。トピラマートの小児における部分発作に対する単剤療法の開発を行うためには、まず小児における部分発作の併用の臨床試験成績を参考にする必要があります。しかしながら、トピラマートの日本人小児における部分発作の併用の臨床試験が現在実施中であるため、小児における併用療法に対する有効性・安全性の確認及び用法・用量が設定された後に小児における単剤療法の開発を検討することが適切と考えました。
続きまして、24ページは、トピラマートの成人における部分発作に対する単剤療法の要望であります。抗てんかん薬の成人における部分発作に対する単剤療法については、既にラモトリギンで開発が進められているところであり、部分発作の単剤療法における臨床試験の対象患者数が限定されていることなどから、現在、臨床試験実施中の薬剤を優先すべきと考えました。また、これに関しましては、現在、企業側は、本剤の部分発作の単剤療法における臨床試験の試験対象を成人及び小児として、併せて1つの試験で実施することを考えており、トピラマートの日本人小児における部分発作の併用療法の臨床試験が今、実施中でありますことから、小児における併用療法に対する有効性・安全性が確認され、用法・用量が設定された後 に小児と成人、併せて開発を検討することが適切と考えました。
続きまして、28ページ及び32ページに、それぞれ?−137、?−138の全般性強直間代発作に対する付加療法の要望がございます。この2品目に関しましては、小児及び成人への要望についてまとめて説明いたします。WGとしましては、まず?としまして、海外のエキスパートガイドラインの推奨順位から、トピラマートは国内既小児でありますバルプロ酸とラモトリギンの次に位置づけられる薬剤であると考えられること、それから、2番目としまして、全般性強直間代発作の国内患者数が少ないこと、?としまして、レベチラセタムの全般性強直間代発作に対する臨床試験が既に実施中であること、こうしたことから、現在、臨床試験実施中の薬剤を優先すべきと考えました。
次に、36ページでありますが、こちらは小児におけるLennox−Gastautに対する併用療法に対する要望であります。トピラマートは日本人小児における部分発作の併用療法の臨床試験が実施中でありますことから、小児における部分発作の併用療法に対する有効性・安全性の確認、用法・用量が設定された後に、小児におけるLennox−Gastautに対する発作の付加療法の開発について検討すべきと考えました。
それから、38ページは、同じくLennox−Gastautの成人に対する併用療法でございますが、Lennox−Gastaut症候群の発症時期は3−5歳がピークとなっております。ですので、薬剤のニーズは成人よりも小児で高いと考えられること及び学会の要望順位を考慮しますと、本要望のみ先に開発を進めるのは適当でないと考えました。
以上がトピラマートでございます。
次に、40ページをごらんください。こちらはプロプラノロール、要望番号?−202でございます。要望内容は、本態性振戦でございます。まず、?としまして、プロプラノロール80?/日の投与群では、プラセボ群と比べ頭部振戦の有意な改善を認めなかったという報告があること。それから、2番目としまして、米国の添付文書には、「通常、1日120?の用量で本態性振戦の発現を最も効果的に抑える。場合により1日240〜320?の投与が必要がある」と記載されていること。それから、?としまして、本邦において本剤は本態性高血圧に対して承認されていますが、承認用法・用量は1日30〜60?から始めて、効果が不十分な場合は120?まで漸増となっていることから、本剤を用いて本態性振戦の治療を行うとしますと、本態性高血圧の用量以上の投� ��量が想定され、血圧降下作用等のリスクが懸念されることから、国内における有用性が期待できるとまでは判断できないものと考えました。
続きまして、41ページ、モルヒネ硫酸塩、要望番号?−252でございます。神経筋疾患における激しい疼痛時における鎮痛、鎮静がまず1つの要望ですけれども、こちらに関しましては、塩違い製剤であるモルヒネ塩酸塩の水和物原末、錠剤などの注射薬の現行の承認効能・効果、激しい疼痛時における鎮痛、鎮静の範囲内と考えられることから、現時点で国内において有用性が期待されるとまでは判断できないと考えました。
また、もう一つの要望であります神経筋疾患における激しい呼吸困難の改善に関しましては、まず(?)としまして、欧米等6か国のいずれでも承認されていないこと、(?)としまして、欧州神経学会連合の筋萎縮性側索硬化症ガイドラインにおいて、間欠的な呼吸困難及び慢性的な呼吸困難へのモルヒネの治療については「lack of evidence」と記載されていることなどから、医療上の有用性のア〜ウのいずれにも該当しないと考えました。
また、42ページの備考欄に記載されていますとおり、本要望内容は既に社会保険診療報酬支払基金の審査情報提供事例において使用事例が掲載されていることから、既に国内保険償還が認められております。
最後に、43ページのレミフェンタニル塩酸塩、要望番号?−282の集中治療における人工呼吸中の鎮痛に関する要望でございます。こちらに関しましては、まず?としまして、レミフェンタニルは体内からの消失が非常に早いため、術後の鎮痛に用いるには、疼痛が生じないように投与量などに十分配慮する必要がある一方で、μ−オピオイド受容体アゴニスト作用による筋硬直等が生じないよう徹底した管理が必要とされており、また、本剤を術後に継続的に投与するよりも、他の術後鎮痛法に切り替えた方がよいという報告もあること。それから、?としまして、米国の疼痛管理看護学会ガイドライン(2011)のエビデンスレベルが「CategoryC−2」となっておりまして、これは各文献報告結果が一致していないという状況であること。それ� ��ら、?としまして、レミフェンタニルは世界で最も早くドイツで承認されておりますが、ドイツにおける集中治療室での鎮痛薬の使用状況、ナショナルサーベイの報告では、フェンタニルの使用割合が最も高く、レミフェンタニルの使用割合は6%と高くないことなどから、現時点では欧米等で標準的療法に位置づけられていることは言えず、国内における有用性が期待できるとまでは判断できないものと考えました。
精神・神経WGからは以上となります。
○堀田座長
ありがとうございました。
たくさんの品目があって、必要性が高いとまでは言えないという項目がさまざまな理由でたくさんありましたけれども、何か御意見ございますでしょうか。樋口先生。
○樋口構成員
1つ教えていただきたいのですけれども、フルオキセチンに関するところで、現在、成人に対しての開発を再検討していると書かれているのですけれども、その可能性があるのか。私、実は10年前にこれをやってだめだった試験の責任者をやっておりましたので、記憶か蘇ってきたのですが、もし再開をするということがあったとしても、フルオキセチンに関して、アメリカでは児童・思春期適応も取っているわけですね。それがあって、しかも、その中では、どうも成人と児童の場合とで、同じSSRIといっても、有効性に違いがあるということも言われていて、今、日本では、小児のうつ病に対しての薬は何もないわけで、適応は持っていないということがあって、そうなると、成人の試験をやった後でないと児童の検討ができないの� �。それとも、この薬が、自殺の問題も含めて、安全性が比較的高いとするならば、小児を対象としたプラセボ対象試験を先行させてやってもいいのではないかということも考えられるのですが、その辺はどういうふうに考えられているのでしょうか。
○勝野参考人
前回は承認申請にまで至らなかったのですけれども、既に現在、企業側において、成人患者に対する開発について再開を検討しているという見解をいただいているものですから、まずはそちらで有効性・安全性をしっかりと検討していただいた上で、その結果をもって小児の検討を進めるということが妥当ではないかというのがWG側としての見解でございます。
○堀田座長
よろしいですか。そのほか、何かコメントよろしいでしょうか。藤原先生。
○藤原構成員
18ページのアザチオプリンで、要望者は日本神経学会で、その下の多発性硬化症治療ガイドラインというのは神経学会とか、神経免疫学会とか、神経治療学会の合同のものなのですけれども、同じ学会から出してきて、言っていることとガイドラインの中身か違うということはよくあるのですか。
○勝野参考人
そのような要望がよくあるのか否か回答することは難しいところなのですが、私の知っている限りでは、日本神経学会としては、学会員の先生方からの、基本的には個人的な意見を委員会でまとめた上で提出しているという形なので、必ずしも学会ですべてしっかり検討しているかというと、時間的な関係もありまして、やや十分でないところもあるかもしれません。
○堀田座長
どうぞ。
○藤原構成員
もう一つは、20ページと21ページのデュロキセチンのところなのですけれども、今、ペインクリニック学会からの要望書とか、厚労省の研究班からの要望書を見ると、種々の学会のガイドラインでこの神経障害性疼痛がいけるのではないかという話をしていますけれども、そこにつけている論文を見ると、全部diabetic peripheral neuropathyか何かのプラセボ対照試験のことが言われているのですけれども、この報告書から見ると、メイヨークリニックプロシーディングだから、どこの学会かはわからないですけれども、米国ガイドラインでは、神経障害性疼痛に関するエビデンスは乏しいということが書いてあって、学会からの要望書の中に書いてあるガイドラインの記載と米国ガイドラインの記載のどこに齟齬があって、やはりだめですよというのがよくわからなかったので、もう少しそこを丁寧に書いてあげた方が、学会の先生たちがこのレポートを見て、やはり自分たちの判断が間違ったのだなというのが明示的にわかる方がいいかなと思ったのです。ペインクリニック学会等の要望書の中身でのガイドラインの記載と、米国ガイドラインの記載の齟齬がわかれば 教えていただきたいのです。
安い減量システム
○勝野参考人
WG報告書の記載については、要望者の方にも御理解いただけるように記載整備を行いたいと思います。基本的には、少なくともメイヨークリニックのガイドラインを見ますと、糖尿病性神経因性疼痛以外の神経障害性疼痛では、現時点でエビデンスとなる報告は行われていないと明記されておりますので、糖尿病性の神経障害性疼痛に効くのであれば、演繹してほかの神経障害性疼痛にも効く可能性があるという形で、場合によってはガイドラインなどにも書かれていることがあるかもしれませんけれども、実際にはエビデンスとしては非常に低いというのが現実ではないかと思います。
○堀田座長
よろしいでしょうか。そのほか。
特段のことがなければ次に移ります。次は、抗菌・抗炎症WGの宮崎先生、お願いします。
○宮崎参考人
それから、抗菌・抗炎症WGからの報告をさせていただきます。資料8−4をごらんください。
抗菌・抗炎症WGでは、59件の要望が寄せられております。そのうち、検討対象外16件及び検討中のもの18件がございます。これを省いた25件が検討を完了いたしましたので、以下、報告させていただきます。
まず、医療上の必要性が高いと判断したものは以下のとおりです。
1〜4ページにございますプリマキンリン酸塩の成人及び小児の三日熱マラリア及び卵形マラリアの治療に対する要望。
5ページにございますスルファジアジンの重症トキソプラズマ脳症の治療及び再発予防に対する要望。本剤は、我が国に支社を持っております海外企業で開発していた経口剤はなかったので、開発企業を公募する予定であります。
6〜7ページにございますベンジルペニシリンベンザチンで、梅毒に対する筋注剤の要望。本剤も同様に我が国に支社を持つ企業で開発している筋注製剤はございませんので、開発企業の公募が必要となります。
次に、抗炎症薬ですが、14ページにございますシクロスポリンのステロイド治療ができない抵抗性、あるいは治療ができないぶどう膜炎の効能追加の要望です。
それと、15ページにございますリツキシマブのウェゲナー肉芽腫症及び顕微鏡的多発血管炎の効能追加の要望です。
以上が医療上必要性が高いと判断したものであります。
次に、必要性が高いとまでは言えないと判断したものと理由について説明させていただきます。
8ページのペルメトリンですけれども、疥癬に対する要望がございます。本邦では、疥癬に対してペルメトリンの類薬でありますフェノトリンの開発が現在進められております。開発が競合することで、両薬剤ともに開発期間が長引くことも想定されますので、現在のところは開発に既に着手している薬剤を優先すべきと判断いたしました。
9ページのアシクロビルですが、骨髄移植後など、免疫機能が低下した患者における単純疱疹・帯状疱疹の発症抑制に対する要望がございました。造血幹細胞移植患者以外の海外のエビデンスは提出されておりません。造血幹細胞移植における単純疱疹・帯状疱疹について検討しましたが、単純疱疹では、移植後35日までの投与については既に我が国で承認されております。この移植後35日を超える長期予防投与については、海外においても広く使用されているとは判断できないと考えております。また、帯状疱疹については、主要6か国で承認されておりませんで、無作為化比較試験などの臨床試験の報告はされておりますけれども、投与期間や用法・用量に一貫性が認められませんで、海外において広く使用されているとは判断でき� ��いと考えました。
10ページのアンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウムです。顎骨周囲の蜂巣炎、顎炎に対する要望でしたが、主要6か国での海外承認はなく、要望書で引用されておりますサンフォードの2001年版でも、本剤は顎下領域感染症に対して第一選択薬、あるいは第二選択薬のいずれにも推奨はされておりませんでした。また、当該効能・効果に対する本剤の有効性・安全性を検討した臨床試験は実施されておりません。これら疾患に対する本剤の臨床経験についても、国内外での文献では報告されておりませんでした。
11ページのセフタジジム水和物ですが、発熱性好中球減少症に対する要望でした。本要望に対しては、セフェム系抗菌薬としてセフェピムが既に国内で発熱性好中球減少症の効能を取得しております。セフェピムとセフタジジムの間で抗菌スペクトルが大きく異なるとも考えにくいことから、有用性が高いとまでは言えないと判断いたしました。
12ページのバラシクロビル塩酸塩ですが、ヘルペスウイルスに起因するぶどう膜炎の治療に対する要望があります。本剤は、国内外で広くヘルペスウイルスの治療に用いられていると考えられますが、その中でぶどう膜炎に対するエビデンスのみを検討しますと、ぶどう膜炎患者を含んだ無作為化比較試験は実施されておりません。使用を推奨した海外ガイドラインも確認できなかったことから、海外で標準的治療に位置づけられているとは判断できないと考えました。
13ページのピペラシリンナトリウムですが、これも発熱性好中球減少症に対する要望がありました。欧米等6か国での海外承認はなく、ISDAのガイドラインにおいても推奨されていない状況から、海外で標準的な治療に位置づけられているとまでは言えないと考えます。
なお、第1回の未承認要望におきまして、タゾバクタム、ピペラシリンの配合剤については、発熱性好中球減少症の追加効能の開発要請を行っておりますので、開発競合を避ける意味もあり、今回のピペラシリンナトリウムは不要と考えました。
以下、抗炎症薬です。16ページのアザチオプリンですが、難治性ぶどう膜炎に対する要望が出ております。本邦において、本剤は、治療抵抗性の難治性リウマチ性疾患の効能で承認されておりまして、ベーチェット病、SLEなどの難治性リウマチ性疾患に付随しているぶどう膜炎については本剤の使用が可能となっております。一方で、リウマチ疾患に付随しないぶどう膜炎に対しては、欧米等6か国、いずれにおいても承認されておらず、小規模の臨床研究が報告されてはいますけれども、海外で標準的な治療法とまでは言えないと考えました。
17ページのアダリムマブですが、膿疱性乾癬に対する要望が出ております。同一効能で類薬のインフリキシマブが既に承認されております。また、海外では膿疱性乾癬として欧米等6か国での承認はなく、臨床試験成績等の報告もないことから、海外において本剤は標準的治療に位置づけられているとは言えないと判断いたしました。
18〜19ページのインフリキシマブですが、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症に対する増量の要望がございました。海外では、膿疱性乾癬、または乾癬性紅皮症として欧米等6か国での承認はなく、効果不十分例に対して増量が有効であったという臨床試験成績等の報告もございませんでした。海外において標準的治療法に位置づけられているとは言えないと判断いたしました。
20ページのサラゾスルファピリジンですが、関節リウマチに対する漸増の用法・用量の要望がありました。現在の用法・用量は、有効性では1g群と2g群は同等で、副作用発現率では2g群が1g群に対して有意に高かったという国内での用量設定試験の結果がございまして、これに基づいて設定されておりますので、既に承認されている用法・用量と比較して、より高用量まで漸増する用法・用量が有効性及び安全性の面で適切であるとする臨床試験成績や、国内使用実態報告等が得られていないことから、国内において有用性が期待されるとまでは判断できないと考えました。
21ページのサリドマイドですが、ベーチェット病に対する要望が出ております。欧米等6か国での承認はなく、欧州リウマチ学会のガイドラインでは、消化管関連の治療に推奨可能なエビデンスに基づく治療ではないとされているようで、海外で標準的治療に位置づけられているとは言えないと考えました。
22ページのトリアムシノロンアセトニドですが、ばね指など、解剖学的靱帯性腱鞘炎に対して、小用量製剤の導入の要望がございました。効能・効果、用法・用量は既に承認された範囲内で、現行の製剤でも治療は可能であることから、小用量製剤をあえて承認する必要性が高いとまでは言えないと考えました。
23ページのミコフェノール酸モフェチルですが、ステロイド治療ができないぶどう膜炎、胸膜炎の要望がございました。欧米等6か国での海外承認はなく、米国ガイドラインにおいても免疫抑制剤の使用は有効との記載がございますが、本剤の投与を推奨する明確な記載はありませんので、海外で本剤が標準的治療法に位置づけられているとは言えないと考えました。
24、25ページのメトトレキサートですが、成人及び小児に対してステロイド治療ができないぶどう膜炎、胸膜炎の要望がございました。これに関しましても欧米等6か国での海外承認はありませんで、米国のガイドラインにおいても、ぶどう膜炎、胸膜炎に対して本剤の投与を推奨する明確な記載はありませんので、海外で標準的治療法として位置づけられているとまでは言えないと考えました。
26ページのモメタゾンフランカルボン酸エステル水和物は、急性副鼻腔炎に対する要望でした。本剤は、カナダ、豪州では承認されておりますが、細菌性、または真菌性の副鼻腔炎に対する点鼻ステロイト剤の安全性には懸念があって、臨床的に意義のある有効性も認められないという理由で、米国、英国、フランスでは承認が得られておらず、その後、開発を中止したという経緯がございまして、海外で標準的な治療法に位置づけられているとまでは言えないと判断いたしました。
27ページのリツキシマブです。既存治療で効果不十分な関節リウマチに対しての要望でしたが、本邦では現在、既存治療で効果不十分な関節リウマチに対して、別のバイオ製剤でありますヒト科、もしくはヒト型の新規の抗B細胞活性化因子抗体の開発が進められております。リツキシマブのキメラ型の抗CD20抗体製剤である本剤と同様のバイオ製剤の開発が競合することで、両剤とも開発期間が長引くことが想定されますので、現時点では他のB細胞活性化因子抗体の開発状況を注視すべきと判断いたしました。
抗菌・抗炎症からは以上です。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの御報告に何か御意見。後藤先生。
○後藤構成員
抗菌薬領域に関しまして、今、宮崎先生からお話をいただいた評価はほぼ妥当かなと考えます。
○堀田座長
ありがとうございました。
山本先生。
○山本構成員
抗炎症について少しコメントさせていただきます。
20ページのサラゾスルファピリジンですけれども、これは日本の同等薬の上限が1gなので、ここも1gとなっていると思うのですけれども、欧米では2g、3gが普通に使われています。日本の上限が1gということに関して、エスケープというのですけれども、効いていたものがすぐ効かなくなってしまうというのが日本の特徴なのですが、それはやはり少ないからだとされています。リウマチ専門医は、これらのことを承知の上で患者にお話しして、2gぐらい投与しているというのが現実なので、ここについてもう一度御検討いただけたらと思います。
それから、最後の27ページのリツキシマブですが、確かにB細胞活性化、別な抗体がオンゴーイングということですけれども、それはまだ欧米でも標準的治療になっていないのですけれども、このリツキシマブについては、もう欧米では標準的な治療になっているのです。なるべく治療薬を欧米のグローバルスタンダードに持っていかないと、これからの治験等で日本が同じ土俵に乗れないことが多いので、もう少し御検討いただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。
○宮崎参考人
持ち帰らせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○堀田座長
そのほか、御意見よろしいでしょうか。
最初のマラリアに関係するものは、今までは研究班で、個人輸入で配っていたものが、開発の条件がある程度できてきたという理解でいいですか。
○医薬食品局審査管理課
事務局からお答えしますが、恐らく実際は、国内ではそういった形で使用されてきた経緯もあるのではないかと思いますが、今回、新しく要望が出てきたため検討したということになるかと思います。海外での承認はもともとあったのではないかと思います。
○堀田座長
ありがとうございました。
そのほか、よろしいでしょうか。
それでは、次のWGの報告に移りますが、次は、抗がんWGから柴田先生、お願いします。
○柴田参考人
抗がんWGの座長の安藤先生の代理で御説明いたします。
まず、資料8−5をお手元に御用意ください。抗がんWGでは併用療法がたくさんございまして、飛び飛びになりますので、目次と本文を行きつ戻りつ御説明させていただきたいと思います。
まず、医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目ですが、1つ目、イピリムマブです。1〜4ページまでになりますが、1ページをごらんください。こちらは、適応疾病の重篤性についての該当性については、基本的にはがんはほとんど「ア」になっておりますので、こちらは省略いたします。医療上の有用性についての該当性は「イ」と判断いたしました。欧米等の臨床試験において、有効性・安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れていると判断いたしました。こちらについては問題なく、いいのではないかと考えておりますが、備考欄に挙げております点について補足で御説明いたします。要望としては3?/?で出されておりますが、その後、海外の臨床試験など、ほかに出てきているもの等拝見しますと、10?/?で� �験が行われているものもございますので、開発に当たっては、その辺の最新の知見を踏まえて検討していただきたいというコメントがついてございます。
目次に戻っていただきまして、L−アスパラギナーゼです。資料の5ページになります。こちらについては、評価としましては、医療上の有用性については「ウ」、欧米等において標準的療法に位置づけられているという判断をいたしております。ただし、備考欄に書いてございますが、本邦で承認されている大腸由来のもの、ロイナーゼと、欧米でのものが若干構造が異なるものの、本剤が酵素製剤であることや、本剤を用いた臨床試験成績が得られていることを踏まえると、本邦で承認されている製剤を対象に開発することに差し支えないであろうと判断いたしました。
次ですが、目次に戻っていただきまして、イリノテカン塩酸塩水和物です。資料の6ページになりますが、こちらは難治性小児悪性固形腫瘍に対する要望です。こちらも医療上の有用性については「ウ」と判断いたしました。
次に、7ページのゲムシタビン塩酸塩です。再発・難治性悪性リンパ腫に対する要望ですが、こちらについても「ウ」であると判断いたしております。
目次に戻っていただきまして、シクロホスファミド水和物と、目次2ページの37〜41ページにビンクリスチン硫酸塩と書いてございますが、この3剤に関する併用療法について御説明いたします。
資料の8ページをごらんください。褐色細胞腫に対する要望でして、結論としましては、医療上の有用性についての該当性は、既存の療法が国内にないという判断を出しております。基本的には、こちらは問題ないであろうということです。備考については、このようなまれな疾患に対する承認の在り方についてのコメントがございましたということで、事実関係を記させていただいております。
目次に戻りまして、目次の2ページ目を開いていただきまして、今度はチオテパになります。チオテパについては、成人と小児の要望が出ておりますので、まず成人の方、20〜24ページについて御説明いたします。20ページをお開きください。移植の前治療に関する要望ですけれども、判断としましては、医療上の有用性は「ウ」であろうと判断しております。
引き続き小児の方に進みますが、資料の26ページをお開きください。こちらも同様のものですが、こちらについても医療上の有用性についての該当性は「ウ」であろうと判断しております。
目次に戻っていただきまして、今度はトラスツズマブです。資料の31ページになります。こちらはHER2過剰発現が確認された乳がんにおける術後補助化学療法との同時併用療法ということで、用法・用量の追加の希望がされているものです。こちらも医療上の有用性についての該当性は「ウ」であると判断しております。こちらについても、備考欄にはいろいろ保険診療上の問題についてコメントがございますが、こういうコメントがあったという事実関係の記載をさせていただいております。
目次に戻っていただきまして、ノギテカン塩酸塩です。資料の33ページになります。こちらは、難治性小児悪性固形腫瘍に関する要望です。こちらも医療上の有用性はウであると判断いたしました。備考欄としましては、併用療法での投与が希望されておりますけれども、欧米の診療ガイドライン、あるいは臨床試験成績等を踏まえますと、ノギテカンの単独投与を含めて検討すべきではないかというコメントをつけております。
目次に戻っていただきまして、次はパクリタキセルです。資料の34ページになります。こちらは、転移を有する精巣癌、性腺外胚細胞腫に対する要望です。こちらも「ウ」であると判断いたしました。
次は35ページ、36ページのヒドロキシカルバミドになります。こちらは本態性血小板血症と真性多血症、効能・効果がちょっと違うものでありますが、どちらも「ウ」であろうという判断をしております。
次が、ビンクリスチン硫酸塩につきましては、先ほど御説明いたしましたので飛ばしまして、フルオロウラシル、43ページ、44ページと、48ページ、49ページのレボホリナートカルシウムと併せて御説明いたします。
43ページをお開きください。膵癌に関する要望です。こちらは医療上の有用性についての該当性は「イ」であると判断いたしました。こちらについては、オキサリプラチン・イリノテカン塩酸塩水和物との併用にもなっておりますが、オキサリプラチン・イリノテカン塩酸塩水和物については既に開発が進められているということですので、今回の資料の中には含まれておりません。
目次に戻っていただきまして、次はリツキシマブです。45ページになります。こちらは、造血細胞移植後のCD20陽性ウイルス関連リンパ増殖性疾患の要望です。先に45〜47と、併せて横並びで御説明させていただきますが、こちらは妥当性という意味では「ウ」で問題ないという判断になっておりますが、効能・効果の書きぶりに関してコメントがございます。備考欄に書いておりますが、最終的には免疫抑制状態下のCD20陽性のB細胞性リンパ増殖性疾患とすることも検討していただくべきではないかというコメントをつけさせていただいております。
小児についても同様で、最後の47ページに関しても同様の内容になります。
次のレボホリナートカルシウムは先ほど御説明いたしましたので飛ばしまして、次に、医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目について御説明いたします。
ミファムルチド、50ページをお開きください。こちらは、切除可能な転移性骨肉腫における他の術後化学療法との併用、小児に対する要望ですが、医療上の要請の該当性はエと判断させていただきました。欧州においては、EMAからの承認は得ておりますが、米国FDAからの承認は得られていないこと、また、その臨床試験の解釈について賛否両論あることから、最終的には現時点で「エ」と判断すべきではないかという結論になりました。
また目次に戻っていただきまして、目次の3ページのアナストロゾールについて御説明いたします。54ページをお開きください。LH−RHアナログ投与下における閉経前乳癌に対する要望ですけれども、こちらも「エ」と判断しております。まず、欧米等6か国で承認されていないだけでなく、現在、標準的治療である化学療法と同等、または優れているかということについては、現在の臨床試験成績からは不明であると判断いたしました。また、要望内容に関して、企業は国内開発を中止しているという経緯もありまして、これについて、開発の要望を出す状況ではないであろうと判断いたしました。
次に、55ページ、イホスファミド、膀胱癌に対する要望です。こちらについては、欧米等の診療ガイドラインでは標準療法としての記載はなく、臨床試験の登録を強く奨める旨の記載がなされていること、また、用法・用量が定まった標準的な治療とみなすことは困難と考える状況と判断しております。
次の56ページは、イリノテカン塩酸塩水和物に対する食道癌の要望です。欧米等の診療ガイドラインには治療選択肢の1つとして記載はされておりますが、その記載の根拠となる引用文献は食道と部位の異なる胃癌・胃食道接合部癌、または大腸癌を対象とした第?相臨床試験成績であったこと、また、本邦では食道癌の約90%は扁平上皮癌であって、食道発生の扁平上皮癌を対象とした臨床試験は海外における小規模な非対照試験があるのみであるという状況を鑑みまして、欧米の診療ガイドラインや海外臨床試験成績のみから国内での有用性を期待できるとは言いがたいと考えるということで「エ」と判断いたしました。
次に、57ページ、58ページ、イリノテカン塩酸塩水和物の膠芽腫に対する化学療法の要望です。こちらは、米国でのベバシズマブの承認根拠となった?相試験において、イリノテカンとベバシズマブの併用療法が検討されておりますが、ベバシズマブ単独投与に比べて高頻度かつ重篤な副作用が認められていること、また、有効性に関しては、要望された併用療法がベバシズマブ単独投与に比べて明らかに優れている情報とは言いがたいという状況です。また、企業見解によると、再発膠芽腫に対するベバシズマブ単独投与においては、現在、国内で開発されているという状況でもあるということで、「エ」と判断いたしました。
目次に戻っていただきまして、今度はオクトレオチド酢酸塩、59ページ、60ページに進みます。インスリノーマ、グルカゴノーマに対する要望が出されたものですが、こちらについては、平成22年の10月に開催された第5回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、医療上の有用性は「エ」と判断されているものに対する再度の要望です。しかしながら、前回の評価以降、本薬の有効性及び安全性を検討した臨床試験成績等の新たな治験は得られていないことから、判断は同じく「エ」としております。
目次に戻っていただきまして、61〜64ページまで、ゲムシタビン塩酸塩の要望が出ておりますが、これはそれぞれ73〜76ページまでのドセタキセル水和物との併用療法となっております。それぞれ要望内容が違いますので、3つ分けて御説明いたしますが、まず61ページと73ページの件、61ページをお開きください。これは軟部肉腫に対する要望です。こちらについては、評価は「エ」としておりますが、当該要望用法・用量について、軟部肉腫を対象とした国内外の臨床試験成績は得られておらず、軟部肉腫に対する有用性は不明であることから「エ」としております。
次の62ページは74ページとの組みになっているものですが、子宮平滑筋肉腫に対する要望です。こちらについても、ページをめくっていただいて63ページに書いておりますが、要望された用法・用量における子宮平滑筋肉腫に対する本邦での有用性は現時点では不明であると判断せざるを得ない状況ですので、こちらも「エ」と判断しております。
3つ目、ゲムシタビン塩酸塩についてですが、64ページと76ページのペアに関する非小円形細胞肉腫ですが、こちらについても同様で、65ページをめくっていただきたいのですが、日本人に対して欧米で実施されているレジメンをそのまま用いることには安全性上の懸念があり、軟部肉腫に対する日本人の至適用法・用量は不明であると考えることから、「エ」と判断いたしました。
目次に戻っていただきまして、ただいまゲムシタビンの3件を御説明いたしましたので、66ページのシクロスポリンの説明に進みます。こちらはAITLに関する要望が出ているものです。欧米の診療ガイドラインによると、AITLに対する標準的治療はなく、可能であれば臨床試験に参加する旨が記載されているという状況にあること、また、至適用法・用量は不明であると考えられることから、「エ」と判断いたしました。
次の68ページをめくっていただきまして、テモゾロミドの要望です。難治性小児悪性固形腫瘍に対する要望ですが、こちらは欧米において定まった用法・用量で標準的治療として用いられると判断することは困難であるという状況でしたので、「エ」と判断しております。
次に、69〜72ページまで、これもテモゾロミドですが、悪性黒色腫に関する要望です。69ページをごらんください。これは平成22年10月に開催された会議で医療上の有用性が「エ」と評価されているものです。再度要望があったものではございますが、前回の評価以降、新たに得られた海外第?相試験成績においても、主要評価項目である全生存期間について、テモゾロミドとダカルバジンに対する優越性は検証されなかったので、有用性の判断は前回と変わらず「エ」と判断しております。
目次に戻っていただきまして、ドセタキセル水和物は先ほど御説明いたしましたので飛ばしまして、78ページのビノレルビン酒石酸塩に進みます。これは小児悪性固形腫瘍に対する要望が出ているものですが、臨床評価段階にある治療選択肢として欧米等の診療ガイドラインに記載されているのみで、欧米において定まった用法・用量で標準的治療として用いられていると判断することは困難であると考えて「エ」といたしました。
残りのフィルグラスチムとレノグラスチムですが、79ページ、80ページ、81ページ、82ページをごらんください。
まず、フィルグラスチムですけれども、79ページの特記事項の上から2行目のところに書いてございますが、当該用量以外、既にデータのある用量以外で至適であることを示す国内臨床試験成績は得られていないことから、当該要望内容について、本邦において有用性が期待できると判断するのは困難であると考えております。
更に、フィルグラスチムについては、80ページの2行目ですが、現在、持続型G−CSF製剤(pegfilgrastim)が本要望を踏まえた形で国内試験を実施中であるとの企業見解も踏まえて、本剤については、医療上の有用性についての該当性は「エ」という判断を下しております。
レノグラスチムについては、剤形は違いますけれども、判断は同様のもので、先ほどのpegfilgrastimがあることから、こちらについても「エ」と判断しております。
抗がんWGからは以上です。
○堀田座長
ありがとうございました。
大変たくさんのものを一気に評価していただきました。何か特段の御意見があれば、よろしくお願いします。落合先生。
○落合構成員
がん種によっては、希少がん種があると思うのです。その場合の考え方というか、基本的なところをWGではどのように考えて対応されているかをお聞かせいただきたいと思います。
○柴田参考人
確かに先生の御指摘のとおり、希少がん種に対して、患者の多いがん種と同様のランダム化比較試験などを求めるのはハードルが高過ぎるであろうと考えております。その点については、希少がん種に対してはケアをした上で判断しておりますが、前向きの試験がないですとか、用法・用量がきちんと定まらないという状況ですと、希少がん種においても薬事承認を求める状況にはちょっとないのではないかと判断をしているというのが基本的な考え方です。
○堀田座長
よろしいですか。そのほか。吉村先生。
○吉村構成員
吉村ですけれども、32ページの備考欄の後半に書いてあることが私には理解できなかったのですが、要するに、どういうことなのでしょうか。
○柴田参考人
こちらについて、ちょっと補足いたします。冒頭での話題にも関連するところではございますが、現状、これが保険診療上、保険が査定されて使えないという状況にあるものなのかどうかという話です。本剤については、実際には都道府県によっては査定されて使えないという状況もあるというお話も伺っておりますので、これは開発を進めていただくということでよいのではないかと判断をしておりますが、論点としましては、冒頭、事務局の方から御説明がありました保険診療上使えないものと使えるものがあるのであれば、使えないものを優先的に、あるいはそちらにリソースを割り振るべきではないかというのがWGで出たディスカッションの概略です。
○吉村構成員
ということは、先ほどの事務局からの説明で解決したということでしょうか。
○柴田参考人
正確には、こちらは社会保険診療報酬支払基金で保険償還の対象であることが明示的に記されているものではございませんので、冒頭に事務局から御説明いただいたものからは一歩踏み込んだ議論にはなりますが、基本的には、考え方としては、優先順位のつけ方として、そういう点も必要なのではないかという意見が出たということでございます。ただし、これについては、だから開発要請をしなくてよいということではなくて、こういう状況を鑑みて開発要請した方がいいのではないかという結論を下しております。
○吉村構成員
69ページ、第1回のときには不要と言われたものに対して、再度同じものが出てきたということは、新しいエビデンスができてきたという主張だと私は思うのですけれども、これだと優越性が検証されていないということなのですが、優越性が検証されていないにもかかわらず、新しいエビデンスが出たというのが申請者の主張なのでしょうか。
○柴田参考人
そこのところは、先ほどもございましたけれども、改めて出されているものに対して、どういうスタンスで出されたのかというのは、やはり申請者の方の意図は図りかねる部分がございます。こちらの判断としては、このようにいたしましたということでございます。
○堀田座長
そのほか。よろしいでしょうか。
保険償還の問題は、最近、審査情報提供事例がふいにたくさん出てきたりするので、ちょっと戸惑うのですけれども、実際は、現状で保険診療の中で広く使われているものを、現状追認という形で認めるというような感じですね。ですから、何か特別なエビデンスに基づいて審査しているという話ではないので、現状追認のような形だと私は理解しているのですが、そういうものと、本当の意味で薬事承認と保険との関係を整理するかという話とはちょっと違う話だろうと思っていますので、それはまた別の議論をしなければいけないのだろうと思います。
事務局で何かコメントありますか。いいですか。よろしいでしょうか。
それでは、次にまいりたいと思います。次は、資料8−6になりますが、生物WGになります。石川先生、よろしくお願いします。
○石川参考人
それでは、生物WGと、あと、小児WGを一緒に担当しておりますので、併せての報告とさせていただきます。資料8−6と8−7をお出しいただければと存じます。
それでは、生物WG、資料8−6からお話をさせていただきます。今回、医療上の必要性の評価を御報告させていただく要望は、表紙1枚目、2枚目のところにあります7件になります。
医療上の必要性が高いと判断した要望は、まず、1枚めくって、1ページの要望番号?−200のプロトロンビン複合体の抗凝固剤療法中における重篤な出血時や緊急手術が求められる場面でのINRの補正に関する未承認薬の要望です。
それから、もう一つは、次の2ページの要望番号?−51、エプタコグアルファの、血管確保が難しい場合、軽度から中等度の出血に対して270μg/?を単回投与する用法・用量の追加に関する適応外薬の要望です。
それから、もう一つは3ページ目の要望番号?−172になります。人血液凝固第X?因子の後天性血液凝固第X?因子欠乏症による出血傾向に関する適応外薬の要望です。
次に、医療上の必要性が高いとまでは言えないと判断した要望について、そのように判断した理由をお話しいたします。
4ページをお開きいただいて、要望番号?−175になります。人免疫グロブリンGの原発性免疫不全症候群(PID)に関する未承認薬の要望については、同一の要望者による第1回開発要望を経て、本邦において皮下注用の人免疫グロブリン製剤であるIgpro20のPIDの効能に関する開発が進められていることから、現時点ではIgpro20の開発状況を注視すべきと考えました。
次に、5ページの?−52になりますが、エプタコグアルファの生命の危機にかかわる産科出血の抑制に関する適応外薬の要望については、新たに追加したとされるエビデンスを精査いたしましたが、要望内容に係る臨床試験の報告がないこと、それから、各国のガイドラインの記載からは要望内容が特定の用法・用量で広く使用されているとは言えないことから、前回の評価以降、要望内容の医療上の有用性が高いと判断するに至るだけの十分なエビデンスは得られていないと考えました。
続いて、6ページ、7ページになりますけれども、?−146、147、ニワトリ胚細胞狂犬病不活化ワクチンについてです。これは、同様の効能・効果を持つ国内既承認薬の供給量不足という点から海外製品の導入が要望されたものになります。これについては、国内非承認薬に比べて本剤の有用性及び安全性が優れているというエビデンスではなくて、本要望が問題とする国内既承認薬の安定供給については、やはり別途、厚生労働省から国内ワクチンメーカーへの指導を行う等、適切な解決方法を検討していただくことの方が適切であると考えました。
生物の方は以上になります。
次に、資料8−7をごらんいただきたいと思います。小児WGには、目次1、2枚目になりますけれども、43件の要望が寄せられていて、そのうち、検討対象外17件、検討中のもの16件を除いて、今回は検討が完了したものが10件ございますので、それについて御報告をさせていただきます。
まず、代謝その他の分野になりますが、そこでの医療上の必要性が高いと判断したのは次の2品目になります。
まず、1ページ目のカルグルミック酸については、要望された効能・効果は、NAGS欠損症及びイソ吉草酸血症等の有機酸血症における高アンモニア血症の改善です。NAGS欠損症については、第1回要望募集で開発企業が公募されていることから、本要望についても併せて開発を進めることが望ましいと考えております。
次に、2ページのペガデマーゼについてですが、要望された効能・効果は、アデノシン・デアミナーゼ欠損症に対する酵素補充療法になります。
次は、必要性が高いとまでは言えないと判断したものについてになります。3ページです。オクトレオチド酢酸塩になります。要望された効能・効果は、先天性高インスリン血性低血糖症に伴う低血糖症状の改善になります。欧米等6か国で承認がなく、国内外において有効性及び安全性を確認する臨床試験は実施されていません。対象患者が非常に少ないことは理解できるものの、やはり海外のガイドラインの記載に十分な根拠があるとは言いがたいと判断をいたしました。
次に、循環器器官と生殖器器官用薬の分野に入ります。こちらで医療上の必要性が高いと判断したのは、4ページ、5ページになりますけれども、2品目になります。
まず、4ページをお開きください。アドレナリンについては、要望された効能・効果は、心停止の補助治療、それから、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療となっております。
それから、5ページをごらんいただきたいのですが、?−219のボセンタン水和物です。要望された効能・効果は、WHO機能分類クラス3及び4の小児の肺動脈性肺高血圧血症です。
それから、生殖器官用薬分野のうちで判断したものは6ページ目になります。このエストラジオールの1品目となります。要望された効能・効果は、性腺機能低下症、性腺摘出、または原発性卵巣不全による低エストロゲン症の治療、小児の原発性卵巣機能不全、ターナー症候群とか、その他の性腺機能低下症による症状を含めてになります。
次に、これが最後になりますけれども、抗菌薬、抗炎症薬分野の要望で医療上の必要性が高いと判断したものは、以降のページの3品目になります。
まず、7ページをごらんいただきたいのですが、エタンブトール塩酸塩、それから、それに続く8ページ、9ページにありますリファンピシン、これらは小児の結核に対する要望です。
それから、11ページ、アバタセプトをごらんいただきたいのですが、これは若年性突発性関節炎に対する要望となります。
次に、医療上の必要性が高くないと判断したものについてのお話をいたします。これは10ページをお開きいただきたいのですが、?−280になりますけれども、レボフロキサンシン水和物の1品目になります。小児の肺炎に対する要望でしたけれども、欧米等6か国でこの薬は承認されておらず、米国で実施された長期サーベイランス試験において、治療完了後1年までの筋骨格障害の発現率を調べたもので、レボフロキサシン群が3.4%、それに対して対照薬群1.8%と、レボフロキサシン群で有意に高かったという報告もあり、成長に悪影響を及ぼす懸念が現在払拭できず、リスクベネフィットの観点から有用性が高いことが期待できるとまでは判断できないと考えました。
以上が小児WGの報告です。以上で報告を終わります。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、生物、それから、小児に関係するWGを2つ続けてやっていただきましたが、何か御意見があれば。岩田先生。
○岩田構成員
狂犬病の不活化ワクチンの件なのですけれども、今、化血研でつくっているものが国内で承認されているわけですが、これが厚労省からの指導で増産が可能なのであれば、それでよろしいかと思うのですけれども、例えば、技術的な問題等でなかなか増産ができないとかいうことがもしあるのであれば、今回、日本渡航医学会から出ている要望を受け入れてもいいのではないかと思いました。その辺、もしそのような状況があるのであれば検討していただきたいと思います。
○堀田座長
事務局から何かコメントありますか。あるいは石川先生。よろしいですか。
○医薬食品局審査管理課
事務局よりお答えさせていただきます。これについては、実際に生産が難しいという状況もあるやに聞いておりまして、名前が挙がっておりますメーカーで海外製品の導入も含めて検討するということも見解が出されているところでございます。したがいまして、こちらとしては、その状況をきちんとメーカーに聞きまして、関係部局連携して対応していきたいと考えているところです。
○岩田構成員
わかりました。
○堀田座長
岡部先生。
○岡部構成員
関連の情報なのですけれども、この申請のきっかけになっているのは、たしか数年前に狂犬病が日本で発症して、発病者が出たとき、ワクチン接種希望者が殺到することによって全くの不足が生じたというような経緯があるので、危機管理上の必要性ということではないかと思います。
○堀田座長
よろしいでしょうか。できるだけ進めるように、よろしくお願いいたします。
そのほか。横谷先生。
○横谷構成員
大小のことで、まず細かい方の話ですが、資料8−7の6ページのエストラジオールですけれども、効能・効果のところにすごく長く書いてあるので不思議に思ったのですが、括弧の中にある小児の云々、ターナー症候群というのが、要望書を確認したら書いていないので、これは削除していただいた方が適切なのではないかと思うので、確認していただければと思います。
○石川参考人
こちらの方で確認して修正いたします。
○横谷構成員
第2点は、先ほど希少がん種についての質問もあったのと軌を一にしている質問なのですが、非常に症例数が少ない場合に、どういうふうにエビデンスが積み重ねられるか、どの程度強い調子でガイドラインに書けるかというのが、サイエンティフィックな立場からすれば、エビデンスがなかなか積み重ねられない、したがって、なかなか標準治療にもならないというところがあるわけで、それを基盤とした問題なのですが、判断いただいた薬剤では、同じく小児の8−7の3ページのオクトレオチド酢酸塩の先天性高インスリン血性低血糖に伴う低血糖症状の改善への適用のことなのですが、ジアゾキシドが同じ対象に対して適応を持っているけれども、しかしながら、ジアゾキシドが無効な場合があり、かつ非常に短い時間でも低� �糖がある、付加的な脳障害を起こすということで、非常に重篤なことが起こるということで、治療上必須な薬剤なわけで、実際には使われている。だけれども、年間数例の発症なので、そういった症例にはほとんど全部これが使われているけれども、エビデンスにはならないという薬剤であると理解しているのですが、そういうところについて、この検討会の立場、エビデンスをどのくらい求めるかということが大きな問題だと思うのです。
判断の分かれ目は、医療上の有用性というところの基準をどう読むかということにあると思っています。例えば、参考資料4−1、資料の一番後ろにありますけれども、ここではっきりと明示したところの基準が書かれているわけです。ア、イ、ウとあって、その3つのうちのいずれかに該当すれば、これは医療上の有用性があると判断するという基準なのですが、例えば、イとかウは、臨床試験において云々であるとか、あるいは標準治療に位置づけられることが困難なわけで、そういった極めて希少な疾患に対する薬剤の開発が全くできないことになるので、ここの検討会でどう考えるかということを考えますと、アの「既存の療法が国内にない」というのをどれくらい基準として重視するかということだと思うのです。11文字なの ですけれども、この11文字をまさにこの薬剤は該当するのです。国内に治療がないというので、アと言うことができるのかどうかというところで、この検討会の立場を教えていただきたいし、もし必要だったらば持ち帰っていただければありがたい。というのは、必要性が非常に高いということが極めて少ない症例なのだけれども、そういった適応症には必ずこの薬が使われざるを得ないという現状があるので、そういった方に対するこの検討会の立場を確認していただければと思って、問題提起したいと思っています。
○堀田座長
ありがとうございます。
何か事務局からありますか。
○医薬食品局審査管理課
全体的な整理の話にもなると思いますので、これまで各WGで検討してきたところの土台となってきたものについて少し御説明をさせていただきたいと思います。
まず、この検討会議のもともとの趣旨が、海外で広く使用されているものについて、国内に届いていないというものをどうするかということをメルクマールにしていますので、やはり基本的には海外でスタンダードに使われているもの、用法・用量がわかっているものだからこそ日本に届けられるというところがあるのではないかと考えております。確かに先生おっしゃるとおり、ジアドキシドが使えないような患者で本剤が必要になるようなケースもあるのではないかと思いますけれども、実際に国内で用量設定をどうしようかとしたときに、海外でも情報がないとなると、実際、海外の承認等もない状況ですので、どうしてもエビデンスレベルから見て広く使われているとは判断し難いかなと考えているところです。基本的には、� �外で用法・用量がある程度決まっていて、それを日本に持ってこられるのではないかというところが1つのメルクマールになってくるのではないかと考えており、これまでWGで検討を行ってきていただいたところでございます。
以上、簡単ですけれども。
○堀田座長
ということで、従来、そういう整理でやってきたということですけれども、今後、ウルトラオーファンで、世界でもなかなかエビデンスがないものを放っておいていいのかという話はまた別の議論をしないといけないと思うのです。そういうアクセスプログラムといいますか、希少なものに対して、どういう形でアプローチするかという話があると思うのです。今回のこのテーマとはちょっとずれる話かもしれませんが、重要な指摘だと思います。
○横谷構成員
ありがとうございました。今回のことでは、海外での用法・用量がどのくらいエビデンスに基づいて書かれているかということについて確認をいただけたら、この結論が出ようかと思いますが、その確認について、もう一度お願いしたいということです。
○医薬食品局審査管理課
了解いたしました。
○堀田座長
全般的議論にもう入っていただいております。WGからの個々の報告については以上でよろしいでしょうか。
残された時間がもう少しありますので、全般的な議論で問題提起、あるいは御意見がございましたら、よろしくお願いしたいと思います。いかがでしょうか。藤原先生。
○藤原構成員
個別も、さっき言い忘れたのですけれども、炎症WGの?−16と?−40で膿疱性乾癬ですか、その中の非常に少ないウルトラオーファン的なものに関してが例なのですけれども、「エ」と判定したもの、医療上の必要性がないと判定したものに対する、このWGの報告書等は非常に細かく書くべきだなと思います。そうしないと、例えば、さっきのような膿疱性乾癬のようなものは、皮膚科学会1位と2位で上げてきて、ものすごく詳細な要望書を書いているのに、「エ」の報告書の内容はさらっと要りませんと書かれているので、それはちょっと学会に対して失礼かなというのもあるので、詳細に書くのと、もう一つ、大きな観点からすると、「エ」と判定したものも、見込みがあるものと、全然論外だという2つの範疇に分かれると思って、� ��込みがあるのだったら、例えば、学会の先生方、せっかく要望書を出したのであれば、こういうWGの報告書を読んで、次はどうやって問題点を解決していったらいいかというふうにブレーンストーミングするなり何かしないと、いつもここに上げてだめと言われて、結局、永遠に薬事法の承認もないまま、現場では使い続けるという実態が今後も続くのを懸念するので、例えば、解決策をWGが提示するのは酷なので、このレポートを踏まえて学会の人たちがその領域の解決策についてどういうふうに考えますかというような回答を求めるとか、考えてくださいねというふうに審査管理課からお願いするとか、次のアクションをしておかないと、ここで評価して、終わり、終わりだけでは発展性がないように思うのです。
○堀田座長
という御意見ですが、何か。
○医薬食品局審査管理課
1点目につきましては、今後、事務局としても、記載内容について検討してまいりたいと思います。
あと、実際、WG自体は、事前に資料をご確認いただいた上で3時間、4時間とかをかけて御議論いただいていますので、この会議の資料になってしまうと非常に短くなってはいるのですけれども、中身は非常に濃い議論をしていただいているというのが事実でございます。
○堀田座長
どうぞ。
○吉村構成員
第1回目に対して、第2回目の申請品目が非常に多かったということで私はショックを受けているのです。今の検討会議で、この体制でやるとしたら、WGに対する負担が大き過ぎるのではないかという気がするのです。これを3回、4回とうかつに続けたら、WGはひっくり返ってしまうのではないかと心配しているのですけれども、この体制でいいのでしょうか。
○堀田座長
根本的な提議ですね。実は、3回、4回やるとは決まっていませんけれどもね。
○医薬食品局審査管理課
その辺り、未定でございますので、その体制なども含めて、あと、要望がどういうふうな状況になってくるのか、今回、この検討会議の枠組みではない部分についても、いろいろな問題点という御指摘もありましたので、その辺の進展なども含めて、また引き続き御相談をさせていただければと思います。
○堀田座長
そのほかに御意見。どうぞ。
○吉村構成員
我が家にこれが来て、びっくり仰天したのですけれども、これでも結構多いのですね。かといって捨てるわけにいかない。置き場所がなくて困っているのです。せめて希望者だけでもPDFで処理させてもらえないかしら。つまり、これを送らないで、我々のところにはPDFだけで来る。そうすると、こんな小さなものにセーブできるのです。
○堀田座長
今回は、この書類要りますかみたいな話だった。3,000ページのものが要るかと。
○医薬食品局審査管理課
ありがとうございます。吉村先生の今の御意見は、会議の資料自体もPDFファイル等でもいいのではないかということでよろしいでしょうか。
○吉村構成員
私はそれを希望するのです。というのは、置き場所がなくて困っているのです。
○医薬食品局審査管理課
わかりました。事前に確認して対応させていただくようにしたいと思います。なお、この資料ですけれども、特に非公開の資料ではございませんので、そのまま廃棄いただいて結構ですので、お知らせいたします。
○堀田座長
これはホームページに載っていましたね。
○医薬食品局審査管理課
およそ即日で公表するようにしています。
○堀田座長
ですから、そこら辺に捨てても罪にはならないということのようです。
そのほか、御意見いかがでしょうか。せっかくの機会ですから、何かありましたら、どうぞお願いします。よろしいですか。
今日初めて御参加いただいた先生に感想を一言ずつ言っていただこうかなと思いますけれども、奥田先生から。
○奥田構成員
私は医薬品の品質ということからこういったことに参画させていただいたのだろうと思います。先生方の非常に多大な御苦労で、いろいろなところで新しい医薬品を開発しなくてはいけないのだろうとも思いますし、それに伴って、また新しい薬剤が速やかに出るような、そういった枠組みもつくっていかなければいけないのだろうとも思いました。これからもまたよろしくお願いいたします。
○堀田座長
ありがとうございました。
それでは、村島先生、お願いします。
○村島構成員
何を言っていいか、とにかくすごい膨大な作業を見まして、大変敬意を表したいところではありますけれども、卒業して30年もたつ古い医者の立場から言いますと、昔は自分たちで文献を探して、こういう成績があったから、これを使ってみようとか、私が膠原病という難病領域をずっとやってきたこともありますので、かなり医者に裁量を任せられていた時期から思いますと、大変整理されていい面もあり、また、逆に選択肢が狭められてしまうのかなというところで、なかなか複雑な思いで今日は参加させていただきました。
○堀田座長
ありがとうございました。
確かに昔は余り適応とかを考えずに臨床現場はやっていましたね。それが、そうはいかない時代を迎えて、どうするかという話ですね。ありがとうございました。
WGの先生からも、例えば、この場の検討のやり方とか、何か御意見等ありましたら。よろしいでしょうか。せっかくやっているのに問題だというようなことがありますか。大丈夫でしょうか。WGの先生方は大変膨大な時間、エネルギーを割いて検討していただいておりますので、我々としてはそれを十分尊重したいと思っております。残りもございますので、引き続き、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
山本先生、どうぞ。
○山本参考人
WGでは、各グループの割り当てられたものを見ているのですけれども、実は、かなりPMDAの各審査部の方々にその下支えをしていただいておりますので、結局、WGの負担の数倍をPMDAもやっているということです。向こうは本当の新薬の審査もしておりますので、我々は新薬の審査一般はしておりませんので、WGというか、ここに負担がかかることが、結局、新薬の審査にも負担をかけることになるということを一言だけ言わせていただきたいと思います。
○堀田座長
ありがとうございます。
私もPMDAに余り負担をかけるのはよくないというのは第2回要望のときにも強く主張して、学会の責任というか、学会の役割分担をもっとすべきでないかということで、今回、少し変わってきたのですけれども、それでもまだかなりの負担があるということです。私、個人的には、新薬の審査にもっと力を、エネルギーを割けるような体制を取っていただきたいと思います。適応外についてはまた別途の仕組みがあっていいのではないか。勿論、PMDAの協力を得ながら、そういうことは今後、体制の問題として考えてまいりたいと思います。
今日、WGで出していただいたものの中に、一部、WGに持ち帰りという部分がございましたが、全体としては御了承いただけますでしょうか。ありがとうございました。
○医薬食品局審査管理課
次回の検討会議につきましては、6月から7月ごろの開催をめどに別途日程調整をさせていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○堀田座長
そのほか、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、長時間にわたりありがとうございました。第11回の検討会議をこれで終了いたします。ありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬食品局審査管理課
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