2012年5月4日金曜日

財団法人国際医学情報センター


MMWR55(38): 1037-1040

高校スポーツに参加することは、身体的に活動的な生活様式を促進する助けとなる。高校スポーツ参加者は1971〜72学年度の推定400万人から2005〜06年の推定720万人に増加したが、運動増加によって実証された健康効果(体重管理、自己評価の改善、体力増強、忍耐力や柔軟性強化等)にもかかわらず、スポーツ参加者はスポーツ傷害の危険性を持つ。高校生の運動選手は、毎年推定200万件の傷害、50万件の医師への受診、3万件の入院を数える。これまで傷害に関する研究は、傷害率の計算やグループ間の結果比較、また少数の非代表サンプルからの一般化ができないことで制限されてきた。2005〜06学年度に、オハイオ州の小児病院の研究者は、米国の高校の代表的全国サンプルによる運動選手の傷害サーベイランスシステムを指導するために� ��インターネットでのデータ収集を利用した。この報告は、その結果について要約している。運動選手の全国的代表サンプルにおける曝露による傷害率調査と傷害パターンの分析は、傷害を減少させるための活動を助成すると考えられる。High School Sports-Related Injury Surveillance Studyは、CDCの助成金および2005〜06学年度のオハイオ州コロンバスのコロンバス子供病院のCenter for Injury Research and Policyによって実施された。地理的位置、学校規模によって全国100の代表高校が、参加同意校の中から無作為に抽出された。公認アスレチック・トレーナー(ATCs)は、野球、フットボール、レスリング(男子)、ソフトボールとバレーボール(女子)、バスケットボールとサッカー(男女)の9種目のスポーツに参加した高校生運動選手に関する傷害事故やスポーツによる曝露データを報告した。傷害とは、1)組織された高校スポーツの練習あるいは試合へ参加して発生し、2)ATCsあるいは医師による医療を必要とし、3)傷害日より1日以上参加を禁止するもの、と定義された。9種目のスポーツの練習や試合に参加した米国高校生運動選手に推定1,442,533件の傷害が発生し、全種目における傷害率は1000の運動暴露に対して2.44の傷害があった。フ ットボールが最高傷害率(1000に対し4.36)で、次いでレスリング(2.50)、男子サッカー(2.43)、女子サッカー(2.36)、女子バスケットボール(2.01)であった。各9種目のスポーツで報告された傷害の約80%は、過去の傷害再発や合併症とは対照的に新たな障害であった。


"減量ショット"

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MMWR55(38): 1040-1042


TECの骨折

チクングンヤウイルス(CHIKV)は、熱帯アフリカやアジア固有のアルファウイルスであり、通常Aedes属の感染蚊に刺されてヒトに感染する。CHIKVに起因するチクングンヤ(CHIK)熱は、1952〜1953年の東アフリカにおける流行で初めて確認された。「チクングンヤ」は、この疾病によって激しい関節痛に苦しむ患者のねじ曲がった姿勢を表す方言から由来したと考えられている。CHIK熱の流行は、ヒト-蚊-ヒト感染によって持続されるので,流行周期はデング熱や都市黄熱と類似する。CHIK熱の大発生は、インド洋の複数の島とインドで最近報告されており、2006年のCHIK熱症例は既知の発生地域からヨーロッパ、カナダ、カリブ諸島(マルティニク島)、南アメリカ(仏領ギアナ)へ帰国した渡航者においても報告されている。2005〜06年、CHIK熱の12症例� �、流行や風土病で知られる地域から米国に帰国した渡航者の中に、CDCで血清学的、ウイルス学的に診断された。この報告は、そのうちの4症例について述べ、医療機関へのガイダンスを提供している。臨床医は渡航者の追加症例を警戒し、公衆衛生当局はウイルス血症患者による地域の蚊の感染を通して媒介されるCHIKV地域感染の徴候を注視する必要がある。症例としては、2005年5月12日にミネソタ州の成人男性が、ソマリアとケニアへの3ヵ月旅行から帰国後数時間で発熱、頭痛、倦怠感、主に肩と膝の関節痛を発現した。5月13日に入手した血清はCDCで検査され、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)でCHIKV RNAとは確定できず、低ウイルス血症と合致した。CHIKV感染は、この急性期血清検体でのIgM抗体と回復期血清(発症から214日後に採取)で の中和抗体により確認された。関節痛は数週間後に消滅した。また、2006年1月15日にインド在住の成人女性が、発熱、関節痛、筋肉痛を主訴として発病したが、3月にはルイジアナ州に旅行して持続する関節痛の診療を受けた。CDCによって発症から74日後に採取された血清検体で、CHIKVに対するIgMと中和抗体が陽性となった。メリーランド州の成人女性は、2005年10月から2006年3月半ばまでインド洋レユニオン島を訪ね、島でCHIK熱アウトブレイク中の2006年2月18日に発熱、手足の関節痛、発疹を発現した。地域の医師は臨床的にCHIK熱と診断したが、臨床検査は実施されなかった。米国に帰国後、患者は持続する関節痛で受診し、CDCによって発症から32日後に採取された血清検体は、IgM抗体は不確定、中和抗体が陽性となり、最近のCHIKV感染と一致し� ��いた。コロラド州の成人男性は、2006年4月17日から5月29日にジンバブエを訪れた。4月29日に発熱、悪寒、関節痛、頚部硬直を、数日後に発疹を発現した。約1ヵ月持続した関節痛を除く全症状は、2週間以内に消滅した。CDCによって発症から44日後に採取された血清検体は、IgMと中和抗体が陽性であった。


リハビリグレートフォールズMT

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MMWR55(38): 1042-1045


大腸菌O157:H7および志賀毒素(Stx)を産生するその他の大腸菌株は、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)と総称して知られる。生鮮ほうれん草の摂取による最近のSTECO157のアウトブレイクは、感染源特定のために分離株を入手する重要性を明らかにしている。STEC確認のために糞便検体の細菌培養を必要としない検査手法が臨床診断検査室で使用されることが多くなっており、培養中に菌株を分離する方法で追加確認しない場合がある。この報告は、2005年のニューヨーク州とノースカロライナ州における胃腸炎発生結果について述べており、そこでは当初臨床診断検査室は志賀毒素検出に非培養方法のみを使用していた。この結果から、適切な公衆衛生活動実施のため、適時にまた信頼のおけるSTEC感染症の確認ができるように、細菌培養によるStx陽 性糞便検体で確認を行う重要性に焦点を当てている。この確認で、発生が検知され、感染源が追跡できるように、全STEC分離株の血清型とSTECO157菌株の亜型を決定することが重要である。ニューヨーク州では、2005年8月28日から9月13日までに州の矯正施設における2,160被収容者のうち合計52人(2.4%)が下痢を報告し、うち17人(33%)は出血性下痢であった。19人は刑務所診療所で治療を受け、うち3人は平均1.8日入院した。3人の糞便検体は、臨床診断検査で酵素免疫測定法(EIA)によりStx陽性と診断された。その後、21人の被収容患者から採取された糞便検体は、ニューヨーク州保健省(NYSDOH)-Wadsworth Centerへ送られた。3患者の分離株はCDCに送付され、STEC血清型O45:非運動性(NM)と確認された(1患者はSTEC血清型O45:NMとO45:H2の両方が確認された)。これらのSTECO45分離株は、XbaIとBlnI制限酵素を使用したパルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)では区別できなかった。ノースカロナイナ州では、2005年11月10日にデビッドソン郡保健局が、託児所における6ヵ月幼児の非出血性下痢の報告を受けた。下痢は、さらに託児所の4人と元の患者の家族3人から報告され、患者糞便検体の増菌培地は、臨床診断検査でEIAによりStx陽性と診断された。数日後、検査室はこの糞便検体の増菌培養をノースカロライナ州公衆衛生研究所に送付したが、STECO157、STEC血清群O26、O45、O103、O121、O111、O145も分離されなかった。またCDCに送付され、EIAによりStx陽性と診断さ� �たが、PCR検査はStx1とStx2に対して陰性であった。その後、ノースカロライナ州公衆衛生研究所は、5人の患者の糞便について元の患者を含む追加検査を実施し、逆転写PCRによりノロウイルス陽性と診断された。


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MMWR55(38): 1045-1046


2006年9月13日にCDC当局は、ウイスコンシン州とオレゴン州の疫学者より、生鮮ほうれん草が州の大腸菌血清型O157:H7感染症の感染源ではないかと警告を受けた。同日、ニューメキシコ州の疫学者は、生鮮ほうれん草摂取による同州の大腸菌O157:H7感染症集団に関してウイスコンシン、オレゴン各州と連絡を取った。ウイスコンシン州公衆衛生当局は、9月8日、CDCに大腸菌O157:H7感染症集団を初めて報告した。9月12日にCDC PulseNetは、ウイスコンシン州の感染者の大腸菌O157:H7菌株がパルスフィールドゲル電気泳動法(PFGE)の型と一致し、他州の患者の分離株と同型であることを確認した。この報告は、州公衆衛生当局、CDC、食品医薬品局(FDA)が取り組んできた合同調査とアウトブレイク対策について述べており、調査と追加症例結果は現在進行中である。9月26日現在、大腸菌O157:H7アウトブレイク菌株感染者合計183人が26州からCDCに報告された。患者のうち95人(52%)は入院、29人(16%)は溶血性尿毒症症候群(HUS)であり、1人が死亡した。このアウトブレイクに関係すると見られる2人の死亡が、26州からCDCに報告された。患者の95人(52%)は入院、29人(16%)については、調査中である。患者の85%は8月19日から9月5日までに発症し、生鮮ほうれん草が発生源であ� ��と確認された。130人のうち123人(95%)は、発症前10日間に調理されていない生鮮ほうれん草を摂取した。また、発生菌と一致したPFGEの型を持つ大腸菌O157:H7は、患者(ニューメキシコ1人、ユタ1人、ペンシルバニア1人)が摂取したほうれん草3袋から分離された。9月14日にFDAは、消費者に対して報道発表と記者会見で袋詰ほうれん草を食べないように忠告した。9月15日、袋詰するカリフォルニアの会社は、ほうれん草を含む全商品の回収を発表し、9月16日、FDAはほうれん草やほうれん草入り製品を摂取しないよう消費者に警告を拡大した。9月21日、FDAはカリフォルニア州の3郡で栽培されたほうれん草のみがアウトブレイクに関連していたと消費者に報告した。確認症例は、米国居住者において培養確認された大腸菌O157:H7感染症と定義され、8 月1日から現在までに発症し、またアウトブレイク菌株型に一致するXbaI制限酵素によって確認されたPFGEの型を持つものとした。



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