本薬の集積機序を考慮し、「効能又は効果」は以下のとおりとなっています。
「固形癌患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和」
本薬は、骨転移部位(周辺)における造骨細胞によるコラーゲン合成とそれに続くミネラル化に依存して集積すると考えられています1)。
このため、骨シンチグラフィが陽性である多発性骨転移例でその部位に一致した疼痛がある患者のみに使用できます。また、このことから多発性骨髄腫のような溶骨性の骨転移例には、使用できません。
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本薬は非オピオイドに加えオピオイドが使用されるWHO式3段階除痛ラダーにおいて、オピオイドでも十分な除痛が得られない場合や、これらの鎮痛薬が副作用などにより増量や使用が困難な場合のみに使用することができます。
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●本薬は、標準的鎮痛薬を使用しても疼痛コントロールが不十分な場合に、鎮痛補助薬として使用することになります。本薬は標準的鎮痛薬ではないので、WHO式3段階除痛ラダーの何段階目から使用するかについて特に規定はありませんが、骨転移痛に対する標準的な薬物療法を行なっても緩和効果が得られない場合に、本薬の適応が考えられます。
●本薬は、疼痛緩和を目的とした標準的な鎮痛薬に置き換わる薬剤ではないため、骨転移の疼痛に対する他の治療法(手術、化学療法、内分泌療法、鎮痛薬、外部放射線照射等)で疼痛コントロールが不十分な患者のみに使用してください。
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- 骨転移による骨性疼痛に対し、従来から、WHO式3段階除痛ラダーに基づく鎮痛薬及び鎮痛補助薬、外部放射線照射治療(外照射)等による緩和治療が行われてきました。本薬はこれらの治療により十分な疼痛管理ができない、以下のような症例で有用であると考えられます。
〈標準的な鎮痛薬との関連から、以下のような臨床適応が考えられます。〉
●NSAIDに加えラダーを変更したオピオイドを併用しても、除去できないような疼痛を有する患者2)
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●鎮痛薬による副作用によって使用が困難な患者、又は鎮痛薬の増量が出来ない患者3)
〈外照射が困難な以下のような患者に本薬の臨床適応が考えられます。〉
●多発性に骨シンチグラフィで陽性像を示す骨転移を有し、同部位に一致した疼痛を認める患者3)
●外照射のための体位がとれない患者
●外照射の分割照射が必要だが、通院が困難な患者4)
なお患者への投与にあたっては、骨髄機能が十分に保たれ予備能を有する患者を慎重に選択してください。(「ストロンチウム-89適応候補患者チェックリスト」をご参照ください)
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●再投与を行う場合には、前回投与から3ヵ月以上の間隔をとり、かつ骨髄機能回復を確認してください。
●前回投与時に無効であった患者には再投与すべきではありません。
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その他の選択基準に関しても、初回投与時と同様の選択基準で適応を決定するとともに5)、同様の注意事項を遵守して本薬による治療を行ってください。 また、反復投与の回数の制限に関しては、本薬の複数回投与により毒性が蓄積するというエビデンスはないことから、反復投与は血液学的検査所見によってのみ制限され、その回数に制限を設ける必要はないと考えられています6)。ただし、骨髄毒性の危険性は反復投与ごとに増加しますので7)、十分な注意が必要です。
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- 本薬の添付文書の「使用上の注意」「重要な基本的注意」には、以下の記載があります。
●骨髄抑制をもたらす抗悪性腫瘍剤又は外部放射線照射による原疾患に対する治療を行っている患者、又は治療を予定している患者に対する本薬の使用は、原疾患に対する治療が施行できなくなる場合があるので、慎重に患者選択を行ってください。
また「相互作用」にも、記載があるように抗悪性腫瘍剤、外部放射線照射は、ともに骨髄抑制作用を有するため、併用には十分な注意が必要です。
また、広範囲な骨(脊椎など)に放射線治療が行われたり、heavy chemotherapyが行われているなど、すでに骨髄機能の高度低下(正常下限以下)を来した患者さんに対しては慎重投与、また、重篤な骨髄抑制のある患者では禁忌となります(「3.臨床適応」、「ストロンチウム-89適応候補患者チェックリスト」及び適正使用マニュアル-臨床編-P3※※をご参照下さい)。※※:適正使用マニュアルは日本アイソトープ協会ホームページに掲載されています。
有痛性骨転移の疼痛治療における塩化ストロンチウム-89治療の適正使用マニュアル(第四版)
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