誰だって甘い物の食べ過ぎは、よいことではありません。子どもは虫歯になりやすくなるし、栄養素が少ない割に高カロリーですから太りやすくなります。2型糖尿病は肥満が引き金になることが多いので、甘党でも辛党でもカロリーの摂り過ぎは、糖尿病への近道になります。ただし、糖尿病を発症した後の甘い物の取り過ぎはよくありません。ご飯でも塩せんべいでもスイーツでも、甘味に関係なく炭水化物を多く含む食品は血糖コントロールのために一定量を守ることが大切です。
糖尿病になりやすい人の条件は?
1型糖尿病や2型糖尿病になる原因は色々考えられていますが、多くの因子が複数に絡み合っているようです。同じような肥満でも、糖尿病になる人とならない人がいます。はっきり分かっていることは、1型でも2型でも糖尿病の家族歴のある人はリスクが高いということです。しかし、1型糖尿病者の多くは家族歴はありません。潜在的に持っている遺伝子が何かの原因でオンになるようです。
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民族的にも1型糖尿病は白人に多く、しかもある地域に片寄っているようにも見えます。北欧のフィンランドやスウェーデン、サルデーニア島(イタリア)ではなぜか発症率が年10万人あたり40~50人と高率ですが、日本では1~2人と低いのです。その代わり、日本人は2型糖尿病になりやすい民族です。これらの遺伝的背景に加えて、運動不足や美食が肥満や2型糖尿病に結びつくのでしょう。
糖尿病の大流行は事実ですが、もちろん糖尿病は他人に伝染する病気ではありません。しかし年齢は大きな意味を持っています。1型糖尿病は年齢に関係なく発症しますが、半数以上は20歳以下の発症です。肥満や生活習慣は1型糖尿病の危険因子ではありませ� ��。2型糖尿病の多くは50歳以上に見られ、肥満気味あるいはかつて太っていたことがある人に見られます。
ストレスやアルコール、甘い物などで直接に糖尿病が起こることは考えられていません。そういった因子で、糖尿病の発症が早まってしまうことは考えられます。
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1型糖尿病の原因
1型糖尿病は、本来自分の体を外敵から守る免疫系が、インスリンを分泌するすい臓のベータ細胞を異物と判断して、誤って破壊することから発症します。その原因は正確には分かっていませんが、遺伝、自己抗体、ウイルス、食品(牛乳や離乳食を始めるタイミング)、酸素のフリーラジカル説などがあります。食品が原因というのは、たとえば乳児の段階では小腸のバリアが未完成なので、人工ミルクの牛乳のタンパク質がそのまま体に入ってしまい、その結果、自己抗体がベータ細胞の表面にある類似のタンパク質を非自己と認識するのではないか、という仮説です。
ウイルス説も有力で、1960年代にサルデーニア島、1970年代にフィンランドで起った1型糖尿病の著しい増加の説明に都合がいい仮説です。
ごく最近にも、あ� ��ふれたウイルスであるヒト・パレコウイルスが1型の引き金になるようだという論文がノルウェーの研究所から発表されました。このヒト・パレコウイルスの仲間のウイルスがネズミだけに感染して、そのネズミに1型糖尿病を起すことが知られているからです。
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2型糖尿病の原因
インスリンが十分に分泌できない、あるいはインスリンはあるけど十分に作用しないという状態ですから、1型糖尿病とは別の原因です。研究者は遺伝、年齢、肥満、生活習慣を挙げています。2型に関係する遺伝子は16以上報告されていますが、いずれも発症のリスクを2~3倍高める程度の弱いものです。これらの遺伝子が役割を演じ、年齢や生活様式(運動不足や肥満)が2型糖尿病の引き金になっているようです。2型は遺伝との関連がとても強い病気です。加齢がリスクを高めます。
妊娠糖尿病の原因
妊娠によるホルモン変化や、遺伝、肥満が有力な原因です。発育する胎児に栄養を供給する胎盤はいろいろなホルモンを多量に分泌します。これらのホルモンは胎児には必要ですが、母体のインスリン抵抗性を高めるものがあります。遺伝としては研究者は2型糖尿病と同じではないかと考えています。母体のインスリン分泌能が十分でないと血糖が高くなってしまいます。糖尿病予備群程度の血糖でも治療の対象になります。肥満のある妊婦に多くみられます。
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